商業的成功への後悔を公言してきたアンソニー・ゴンザレスゆえに、アートワークの怖さも〈売れないため〉のアプローチの一環か。逆に言うと本作は、近年の彼には珍しくポップに振り切ったアルバムだ。スペイシーでシューゲイザーなサウンドを背景に、『Saturdays = Youth』期を彷彿とさせる思春期的ロマンティシズムが爆発している。どこを切り取っても最高。