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各地で独自発展を遂げるレフトフィールド・テクノの諸様相

 UK産レフトフィールド・テクノにおいては、ベース・ミュージックと混合する潮流が脈々と続く。例えば、ハイパーポップ文脈からも注目される新世代のトゥー・シェルなどをカタログに揃えるロンドンのレーベル、リヴィティー・サウンドは2011年の発足以降、UKガラージやジャングルに多様な進化をもたらしている。K・ローンとファクタが同地で運営するウィズダム・ティースも、繊細な音響処理を施された作品群が実に素晴らしい。

 またUSではアンソニー・ネイプルズが主宰するNYのインサイエンソ周辺に注目だ。テクノ・ダンスホール/ディープ・レゲトンと評されるDJパイソンら作家陣は、豊かな実験性をリリースごとに発展させている。ここ日本でも、本稿主役の某曲エディットが現場を中心に話題となったStones Taro、彼が拠点とする京都発のレーベルNC4Kを中心に、UKサウンドの再解釈が進む。 *DNG

左から、トゥー・シェルの2022年のEP『Icons』(Mainframe Audio)、2021年のコンピ『Molten Mirrors - A Decade Of Livity Sound』(Livity Sound)、ファクタの2021年作『Blish』(Wisdom Teeth)、DJパイソンの2017年作『Dulce Compañia』(Incienso)、2022年のコンピ『NC4K COLLECTION Vol.4』(NC4K)