アダム・フィッシャーのハイドン交響曲演奏は新しいアイデアを吸収し進化を続ける。約30年前にNimbusレーベルでの交響曲全集録音の初期に取り組み、数曲はMDGレーベルでの再録音もあるロンドン・セットの新録音が実現。次々と斬新な音が繰り出され、軽やかな歌と全力の快速アレグロが楽しくて何度も聴いてしまう。デンマーク室内管弦楽団は存続危機を乗り越えて、アダム・フィッシャーとの公演を大切にし、そこで高い評価を得てウィーン、グラーツ、ザルツブルクにも招聘される存在に。94番のお約束の爆発音の衝撃は随一のもの。珍しい短調の作品95番もフィナーレのコロコロ変化する表情の表現が見事。