『replica』に貢献した、才気溢れる職人たちを紹介!
ここでは、Disc-1を中心に『replica』で演奏しているプレイヤーたちを紹介しよう。以前よりVaundyの作品に貢献してきたTAIKING(ギター)、TAIHEI(ピアノ)というSuchmos組は、引き続き参加。“ZERO”や“カーニバル”などにヘヴィーかつドライヴィンなギターを添えるTAKINGは、Vaundyのロック像を体現する存在と言えるのでは。同バンドの故HSU(ベース)が、Disc-2の少なくない楽曲でプレイしていることは、やはり記しておきたい。なお、そのほかのギタリストとしては、今回セルフ・カヴァーされた“逆光”に、凛として時雨のTKが登板。彼らしい変態的な超絶プレイを炸裂させている。
また、2022年に開催された武道館でのワンマンライヴのメンバーだったhanna(ギター)、マーリン・ケリー(ベース)、BOBO(ドラムス)も多くの楽曲に貢献。とはいえ、3人が揃うのは“美電球”“怪獣の花唄”の2曲のみというのもおもしろい。ベーシストでは、ZAZEN BOYSの元メンバーであり、ソロ名義の吉田一郎不可触世界で活動する吉田一郎、マキシマム・ザ・ホルモンの上ちゃんが数曲で弾いている。
ストリングスには、millennium paradeの常田俊太郎を筆頭に、須原杏(共にヴァイオリン)、亀井友莉(ヴァイオリン/ヴィオラ)らが並ぶ。ちなみに〈ミレパ〉界隈では、MELRAW(サックス)や江﨑文武(キーボード)もDisc-2で参加しており、これら人脈による音は、いまや日本の現代ロックにおける本道だろう。Vaundy流ロック・アルバムと解釈もできそうな『replica』(の特にDisc-1)に、この国のロックの行く末を想うのも一興では。 *田中亮太
左から、TAIKINGの2022年作『TOWNCRAFT』、Suchmosの2019年作『THE ANYMAL』(共にF.C.L.S.)、TK from 凛として時雨の2020年作『彩脳』(ソニー)、吉田一郎不可触世界の2020年作『えぴせし』(PETASTEREO)、millennium paradeの2021年作『THE MILLENNIUM PARADE』(ARIOLA JAPAN)