民謡はフリー素材
――これから先、民クルがめざすべき到達点ってなんでしょう? いつまでも変わらない、というのが優先事項だったりするような気もするけど。
田中「普段は別の仕事をやっているメンバーもいて、半分社会人バンドなんですけど、民クルに割く時間が増えてきて、みんなでがんばっているわけです。これだけで食っていけるようになったら、とは考えたりしなくもないですけど、なかなかねぇ。
まぁ、オリジナル曲を作ってやってるバンドじゃないし、伝統音楽を継承しているという側面もあるけど、そうは言いながらもいまの時代にフィットするようにアップデートさせたいし、もっと言うと、民クルがこういうふうにやってるんだったら俺たちはこうやろうぜ、と考える人が増えていったら嬉しい」
――君にもできるよ、というメッセージを届けたいと。
田中「民謡をフリー素材として考えて。いろんな方にいろんな場所でいろんなふうに利用していただけたら本望です」
――いずれオリジナル曲を制作するようなプランは?
田中「いまのところはないですね。民謡が描くものって歌が生まれたそこの景色だと思うんですよ。メッセージとかじゃなく。そういう意味では僕らがいまオリジナルを作る意義はなにか?ってことになると思うんです。俺の思いを聴いてくれ、っていう思いが強いんであればアレですが、いまは特にないので。もしもフレディ（塚本）さんが、いま暮らしているこの風景を歌ってみたい、という気持ちになったとしたら、生まれる可能性もあるでしょうけど」
〈日本珍道中〉のBGMに
――いろいろお話を伺っていると、風の吹くまま気の向くままに進んでいくのが民クル的流儀なんだなって改めて感じます。あくまでも旅を続けるのはバンドとしての完成をめざしてのことじゃない、といった主張も新作の端々からしっかりと聴こえてくるし。その時々において、いろいろ楽しかったことを報告するようにしてこれからも作品の制作を続けていくのだろうと想像します。
田中「とにかく現時点でどういう音楽を作っているのか、自分たちがいちばんわかってなかったりしますからね」
――その部分はこれから先も永遠に謎として残り続けてくれた方がこちらとしてもありがたい。
田中「そうですね、あとは聴いてくださる方がそれぞれ自由に解釈してもらえたら」
――最後に『日本民謡珍道中』はこういうふうに聴いてもらいたい、という希望はあるでしょうか?
田中「日本に旅行に来ている外国人が旅のBGMにしてもらえたらなかなかいいんじゃないかと思いますね」
大沢「日常にふわっと流れていて、いつの間にか覚えてしまっていた、という形が嬉しいですね」
――生活のなかで空気のような存在として。なんじゃこりゃ!?と違和感を抱かせるものとしても成立しているけど、日常生活において空気のように漂っていることも可能。
田中「いろんなタイプの曲があるなかのひとつだと思ってもらえたら」
大沢「それにしては、だいぶサイケなアルバムになっちゃったけどね（笑）」
RELEASE INFORMATION
リリース日：2023年11月24日（金）
品番：UCCJ-9248
価格：3,300円（税込）
配信リンク：https://Minyo-Crusaders.lnk.to/TourofJapanPR
TRACKLIST
1. 佐渡おけさ
2. 広島木遣り音頭
3. ハイヤ節
4. 南部俵積み唄
5. 大漁唄い込み
6. 木曽節
7. 貝殻節
8. 金毘羅船々
9. ソーラン節
EVENT INFORMATION
『日本民謡珍道中』発売記念リリースイベント
2023年12月23日（土）東京・タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIO
開演：19:30（集合：19:00）
内容：ミニライブ
出演者：当日のお楽しみ
※イベントは30分程度を予定しております
※開始時間・内容等は変更の可能性がございます
※配信のアーカイブ視聴は2023年12月29日（金）23:59まで
※本イベントはパソコン、スマホ、タブレットにて閲覧可能です。下記、詳細ページの推奨環境をご確認ください
詳細：https://tower.jp/article/feature_item/2023/11/17/0709
LIVE INFORMATION
民謡クルセイダーズ
寿! 『日本民謡珍道中 TOUR OF JAPAN』リリース記念新春パーティー!!
MINYO IS BACK IN TOWN 2024 AT COTTON CLUB
2024年1月2日（火）、3日（水）東京・丸の内 COTTON CLUB
■1st show
開場／開演：15:00／16:00
■2nd show
開場／開演：17:30／18:30
詳細：https://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/minyo-crusaders/
PROFILE: 民謡クルセイダーズ（MINYO CRUSADERS）
かつて戦後間もない頃、偉大なる先達である東京キューバンボーイズやノーチェクバーナが大志を抱き試みた、日本民謡とラテンリズムの融合を21世紀に再び再生させる民謡クルセイダーズ! 2011年、東京西部、米軍横田基地のある街・福生在住のギタリスト・田中克海と民謡歌手・フレディ塚本を中心にミュージシャンが集まった。終戦以降、米兵の居住エリアだった基地周辺に今もなお点在している築70年の米軍ハウスの一棟、通称バナナハウスをスタジオとしてセッションをスタートさせる。クンビア、ビギン、ブーガルー、カリプソ、アフロ、ルンバ、レゲエ、モーラムなど様々なダンスミュージックと失われた音楽・日本民謡との化学反応を試みつづけたバンドは、数回のメンバーチェンジを行いながらファーストアルバム『エコーズ・オブ・ジャパン』を完成させ、国内外から高い評価を得るとともに民謡の存在を世界に知らしめた。
