怒涛の熱気を生み出した昨年の勢いのまま、5人は結成10周年へ向かって駆けていく! かけがえのない青春を詰め込んだ新作『Blue Youth』はそのスタートダッシュの合図だ!

いろんな〈青春〉が詰まった一枚

 2月に通算4枚目のフル・アルバム『ADVANCE』を届け、春ツアーを経て5月にシングル“ar”でメジャー・デビュー、〈#でび夏〉と銘打った夏は〈TIF〉での〈でびぱっぱ夏祭〉をはじめとして各地で旋風を巻き起こし、10月には上田剛士(AA=)プロデュースのシングル“GOD BLESS YOU!!”を発表、年末には過去最大規模の会場となる東京・TOKYO DOME CITY HALL(TDC)で結成9周年ワンマン〈陽花歌歌〉を成功させ……と、2023年を大きな飛躍の年としたデビアンことDevil ANTHEM.。ますます加速する5人が、このたびメジャー・ファースト・アルバム『Blue Youth』を完成した。これまでグループが培ってきたサウンド・イメージを裏切らないエッジの立ったシングル曲を軸としつつ、トータルでは〈青春〉をテーマに掲げて多彩なサウンドに挑んだ新鮮な作品に仕上がっている。

Devil ANTHEM. 『Blue Youth』 ビクター(2024)

水野瞳「いままでのアルバムも一貫性はあったんですけど、今回みたいにはっきりテーマがある作品は初めてで。私の中で“Blue Youth”はいまの私たちを歌っている感覚で、“maybe...なんてモード”や“好きだ!”は学園ドラマみたいな青春、“冬ラテ”のような恋愛系の曲を歌うのも初めてだし、いろんな〈青春〉が詰まったアルバムになりました」

竹本あいり「久々に制服を着て撮影する機会が先日あったんですけど、以前“Days”(2019年のシングル)の撮影で制服を着たときは私たちも全員高校生で〈まさに青春!〉って感じだったのが、今回いざ制服を着てみたら、やっぱりみんな大人になったなと感じて。そのときに私の中でこのアルバムの〈青春〉の意味が変わったんです。それまでは“Days”のような青春の物語を私たちが提供する感覚だったけど、今回は大人になった私たちが青春時代を振り返りながらその想いを表現して届ける、みたいな。きっと私たちより年上のファンの方たちも青春時代の気持ちに戻って楽しめる作品になったのかなって」

 ちなみに、現在の5人が考える〈青春〉とは、いったいどういうものなのだろう。

あいり「いちばんの青春はやっぱり高校時代でしたけど、アイドル文化自体もすごく青春みたいに感じていて。時間に限りがある活動って、高校3年生みたいな感覚だと思うんですよ。隣にいる人を大切に感じたりとか、1つ1つの行事を〈これがラストか〉と思って、胸が切なくなって。そういう儚さがあるから、アイドルもある種の青春なのかなって」

橋本侑芽「実際に学校と両立していたときは大変だったけど、いま振り返ると〈ああ、あれが青春だったんだな〉って思う」

安藤楓「わかる。青春って終わったあとに気づくことが多いよね」

瞳「現役時代に気づけないものなのかな」

竹越くるみ「それどころじゃないんだよ(笑)」

あいり「必死だからね(笑)。でも、必死なのが青春なんじゃない?」

瞳「じゃあ、いまもそうだ」

くるみ「常にそうだよね」

 

楽曲ごとの多彩な表現

 そんなテーマに基づいて作られた新曲群のうち、彼女たちの事務所の先輩にあたる益若つばさが歌詞を提供した“好きだ!”は、恋する乙女心が勢いよく飛び出すポップ・ロック・チューン。同じく甘酸っぱい意匠の“maybe...なんてモード”では、歌い手としても活動するun:cが作詞を手掛けている。

楓「デビアンはかっこいい曲が多いので、ずっと“好きだ!”みたいなかわいらしく〈好き!〉って歌う曲を歌ってみたかったんです。振り付けにハートが入っていたり、新鮮だけど音にはデビアンっぽさも感じられて。今回のアルバムは楽曲ごとにいろんな声色で歌ったので、デビアンの表現の幅も感じられると思うんですけど、この曲は学園ドラマのエンディングっぽいイメージで歌いました」

瞳「私は歌い手さんが好きだった頃にun:cさんの曲を特によく聴いていたので、“maybe...なんてモード”はすごくテンションが上がりました(笑)。〈先生〉とか〈放課後〉って言葉が出てきて〈学校〉感があるし、ストレートな歌詞になっていて、いままでデビアンが触れてこなかった界隈の人にも刺さる自信があります」

 さらにデビアン作品には欠かせないAILI制作の美メロなバラード“冬ラテ”、あぶらこぶが詞曲を提供したキラキラと衝動的なダンス・ポップ“tobira”もまた、彼女たちの成長を証明してくれる。

くるみ「私は昔に流行っていた曲が好きで、“冬ラテ”はそんな感じがする曲でめっちゃ気に入っています! デモを聴いたときに中島美嘉さんっぽいなと思ったので(プロデューサーに)話したら、その時代のJ-Popの冬の曲をイメージしたって言っていて。失恋ソング的な内容なので、レコーディング前にイメトレして、主人公の気持ちを想像しながら歌いました。落ちサビはいままででいちばん悲しい声を出しているので、ぜひ聴いてほしいです(笑)。あと、1番の最初のパートは私と楓ちゃんが交互に歌うんですけど、歌い出しの〈真っ白な雪が空を舞う〉の楓ちゃんの声が色っぽくていいんですよ。これから失恋ドラマの第1話が始まるみたいな感じで」

侑芽「“tobira”は疾走感があってファンタジーっぽい雰囲気が、夜空の下で走りながら聴くのが似合いそうと思って。夜にランニングしながらデモを聴いて曲を覚えました。ラスサビでグワッと盛り上がるんですけど、そこのあいりちゃんの高音パートが私的にはいちばんの注目ポイントです」

 

出会えて良かったと思える存在に

 そして表題曲“Blue Youth”は、デビアンを長く支えてきた今城沙々(作詞・作曲)とRelect(編曲)のコンビだからこそ描けたのであろう、爽快かつハードなダンス・トラックと共に駆け抜ける〈青春〉の一曲だ。

あいり「他の新曲は〈大人になってから覗いた青春〉っていう感じですけど、この曲は私たちのリアルタイムの感覚に近くて、特にくるみが歌う〈完全じゃなくても満点じゃなくても 僕ららしく〉は、まさにデビアンだなって思います。私たちも〈完璧じゃなくても力を合わせて進んでいこう!〉ってがんばってきたので。あと、楽曲の色というかオーラが“ar”に似ていて。“ar”は〈生きている〉感覚があって、歌うたびに、その時の心情によって違うように聴こえるんですけど、“Blue Youth”もそういう曲になる気がしています。まだステージで数回しか歌ってないけど、今年1年いろんな心境で歌って、どんなふうに感じられる曲になるのか、これからが楽しみな曲です」

 春からは日比谷野音でのフリー・ライヴを皮切りとするツアーが始まり、結成10周年ワンマンとして12月27日に行われる2度目のTDC公演に向けて、早くもアクセル全開のデビアン。同公演をもっていったん活動休止することも発表済みだが、果たして2024年はどんな活躍を見せてくれるのだろうか。

くるみ「ライヴを絶対に楽しませます!というのは、もはやデビアンにとっては当たり前のことで。今年はグループ自体が10年目で、私も10年目になるんですけど、私もそろそろファンの皆さんに恩返しをしたいし、次は私たちがこれまで関わってくれた人たちをいろんな場所に連れて行く番だと思うんです。昔の取材で〈デビアンは全員が主役のアベンジャーズみたいなグループです!〉って話したら、みんなに〈それは言い過ぎ〉と言われたんですけど、先日のTDCワンマンを観返したら、もう全然言っていいと思えたんですよ。なので10年目はアベンジャーズとして、みんなが心の底から出会えて良かったと思えるグループになれるよう、精進してがんばりたいです」

2023年にリリースされた先行シングルを紹介。
左から、“ar”“GOD BLESS YOU!!”(共にビクター)

参加クリエイターの作品を一部紹介。
左から、TAKESHI UEDAの2023年作『TEENAGE DREAMS』(スピードスター)、MonsterZ MATEの2021年作『WalkerZ』(ユニバーサル)、あぶらこぶの2022年作『tobitai』(TOWER RECORDS)

 

デビアンが刻んできた着実な成長と進化をこれまでのアルバム作品で辿ってみよう!

Devil ANTHEM. 『Fever』 youthsource(2017)

竹越くるみら5人で2014年末に結成され、翌年に音源デビュー、2016年に加入した安藤楓と橋本侑芽を含む編成で臨んだ初のアルバム。今城沙々の詞曲をダンス・ポップやラウド・ロックの意匠で聴かせるなか、UKハードコア界で活躍するRelectを初めて編曲に迎えた代表曲“Fever”の重厚さが以降のサウンドの指針となることに。

 

Devil ANTHEM. 『Fake Factor』 カナメイシレコード(2019)

2017年に竹本あいり、翌年に水野瞳が加入して現在のメンバー5名が揃った体制での初めてのアルバム。Relectのハードスタイル作法が“Like a 熱帯夜”などで炸裂すれば、神秘的なトランスの“えっとねれみしー”、山下智輝が編曲したエモいロックの“EMOTIONAL”もあって曲の振り幅はさらに広がっている。

 

Devil ANTHEM. 『SS』 MUSIC@NOTE(2021)

コロナ禍に見舞われた2020年にMUSIC@NOTEに参加し、シングル2枚のリリースを経て届けたミニ・アルバム。AILI作のラップ仕立てな“UP”と“ソラシド”、dirty magiqのフューチャー・ベースなどトラックの振り幅とキャッチーな厚みはさらにアップし、今城沙々×Relectによるレイヴィーな表題曲“SS”も磐石です。

 

Devil ANTHEM. 『らいなう』 MUSIC@NOTE(2021)

体制の変更を受けて、これまでのシングルや人気曲を再録したベスト・セレクション的な内容のアルバム。なかでもデビュー曲“Devil ANTHEM.~キミのハートを征服中~”や“あなたにANTHEM”など初期曲になればなるほど変化が楽しい。RYO-Pによる都会的なアップ“ミッドナイトドライブ”など、ここが初出となる新曲群も新鮮。

 

Devil ANTHEM. 『ADVANCE』 MUSIC@NOTE(2023)

インディーでのラスト作品となった堂々のフル・アルバム。先行シングルの“Reflect Winter”や“Fantastic90”なども2023年ヴァージョンで収録されるなか、爽快ポジティヴな表題曲やラストを飾るエモーショナルな“不確かな未来”などが決意を刻む。一方、異色(?)のかわいい系アイドル・ポップ“そわそわチョコレート”も聴きどころ。

Devil ANTHEM.のシングル。
左から、2015年の“Devil ANTHEM.~キミのハートを征服中~”“覚醒 WOW WOW”、2016年の“らすとご!!”、2017年の“EMOTIONAL”(すべてyouthsource)、2018年の“Like a 熱帯夜”“えっとねれみしー”、 2019年の“Days”(すべてカナメイシレコード)、2020年の“VS”“UP”、2022年の“Reflect Winter”“Fantastic90”(すべてMUSIC@NOTE)