名匠スウィトナーのキャリア最後期に位置する唯一のブラームス交響曲全集。今回84年録音の第2番がアナログ録音だったことが判り、85~86年デジタル録音と併せ、音質面でも興味深いSACDハイブリッド化。DENONのベートーヴェン全集に続き、シューベルト全集録音と並行して行われたこのブラームス、スウィトナーの心気充実ぶりを味わうために、仕様としても当セットが最上の選択肢だ。第1番での印象深い稠密度の高いオケの響き、名匠の虚飾を排した造型、柔和表現での馥郁たる香りに満ちた描写は全集に一貫するもので、全4曲、長く置いて幾度もじっくりと玩味したいと思わずにはいられない!