記念すべきスウィトナーとNHK交響楽団との1979年の初録音盤が高音質化され待望の復刻。長く日本でも人気を博したスウィトナーはとりわけモーツァルトを得意としており、これより以前のエテルナ音源は代表的録音のひとつとして現在でも高く評価されている。ORTマスタリングによる今回の復刻では残響が少なく細部まで明晰な当時の音色を自然に捉えた録音が元にあることにより、NHK交響楽団との初のセッション録音にこれらの曲を選んだ理由がより伝わる出来。この盤でのニュアンスを含めた誠実な演奏は素晴らしく、両者が遺したその後の成果をも伺わせる、まさに必聴かつ重要な日本録音なのでは。
オトマール・スウィトナー(Otmar Suitner)『モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」、第36番「リンツ」(2025年ORTマスタリング)』NHK交響楽団との1979年初録音盤が高音質で復刻

OTMAR SUITNER , NHK交響楽団
『モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」、第36番「リンツ」(2025年ORTマスタリング)』