Page 2 / 3 1ページ目から読む

ショーケン、矢沢永吉、長渕剛へ捧げたオマージュ

1986年、キャニオンレコードへと移籍してからも快進撃を続けるとんねるずだが、この頃からお笑いの枠を超えてアイドル的人気を博すようにもなっていた。初主演映画「そろばんずく」の主題歌“寝た子も起きる子守唄”(1986年)などコミック色が薄まったキャッチーなポップナンバーが多くなるものの、その分オマージュ色が強まった傾向もあって、主演ドラマ「お坊っチャマにはわかるまい!」の主題歌“やぶさかでない”(1986年)などは、ショーケン(萩原健一)への尽きせぬ想いを大きく広げてみせる歌唱が印象に残る。

ショーケンオマージュはその後も続き、ドラマ「前略おふくろ様」を連想させる“迷惑でしょうが…”(1987年)、名曲“ぐでんぐでん”からの影響も色濃い“おらおら”(1987年)などが誕生、若いリスナーたちに唯一無二の個性の素晴らしさを伝える役割を果たす。 

1987年にリリースされた“嵐のマッチョマン”は、ちょうどオマージュとコミックの中間色的なナンバーと言える。石橋貴明が〈マイケル石橋〉なるDJを演じたこちらの曲はディスコサウンド全盛期に想いを馳せたダンスナンバーで、そのスタイルは“炎のエスカルゴ”(1988年)においても採用されている。

そのほか、オマージュ~リスペクト系には、往年のGSサウンドをよみがえらせた“大きなお世話サマー”(1987年/高見沢俊彦が作詞作曲)や、タイトルからしてモロな“YAZAWA”(1988年/“時間よ止まれ”や“チャイナタウン”など矢沢永吉の名曲のテイスト濃し)などがあり。いまもカラオケシーンで人気の高いとんねるず流メッセージソング“情けねえ”(1991年)、これもまた長渕剛が歌うそれ系曲へのオマージュである。