A.D.S.以来長きにわたるクリエイティブな活動と、雑食性ともいえる文字どおり多岐にわたる音楽性を持ちDJ活動などをこなしてきたCOMPUMAこと松永耕一の最新作。ここ最近のアンビエント・ブームに対して並走しながら導き出した彼なりの時代に対するカタルシスのようにも聞こえてくる。DJ的フロア・ユースも見越した曲から完全にノンビートの広大なサウンドスケープまで彼らしい振れ幅で音を紡いだ作品。日本の景色や環境にインスパイアされたとのことで、リスナーはこれらの7つの音楽からインスパイアされて、また違ったそれぞれの景色が展開し発展する。原始的電子音と壮大なシンセサイザーの音色が織りなす現代のランドスケープ。

金子雄樹
intoxicate 2024 October

 


その手腕で音場を揺らす彼のソロ2作目は、緩やかな電子音とさざ波のようなビートが快い“horizon”を軸に、ヴォコーダー・ヴォイスが温かい“horizon2”、鳥のさえずりなどを加えた淡いアンビエント“horizon5”など表題曲を深化させたトラックが並ぶ。前作収録曲をエレクトロに再構築した“view 2 electro”にも無限の小宇宙が広がり、イマジネーションを掻き立てる素晴らしき好盤!