インタビュー

COMPUMA & 竹久圏、Tealightsoundシリーズの初作コンビが茶畑で生んだ不思議な音世界『Reflection』を語る

「音楽とドキュメントの狭間、みたいなものを目指しました」

茶畑から生み出された不思議なサウンドスケープ

 京都の老舗茶問屋・宇治香園が企画した、お茶と光と音を融合するプロジェクト、Tealightsound。アキツユコ、植野隆司(テニスコーツ)、大野松雄など様々なミュージシャンが作品を発表してきたが、第1弾作品『SOMETHING IN THE AIR-the soul of quiet light and shadow layer-』(2015年)を発表したCOMPUMAこと松永耕一とギタリストの竹久圏のコンビが、シリーズ番外編として新作『Reflection』 をリリース。アルバムに取り掛かるため、まず2人が向かったのは山奥にある茶園だった。

COMPUMA,竹久圏 『Reflection』 宇治香園/SOMETHING ABOUT(2020)

 「前作を制作する時、宇治香園のスタッフの方から〈ぜひ見てほしい場所がある〉と言われて行ったのが、その茶園だったんです。そこがすごい場所だったんですよ。時間帯によって表情が変わる異世界みたいなところで。そこが今では廃園になっていて、それがまた不思議な魅力があるんですよね」(松永)

 二人は自然に呑み込まれた廃園をさまよいながら、その土地から受けた印象を自分の感覚を通じて音楽にフィードバックさせていった。

 「茶園で即興でギターを弾いてみたり、フィールドレコーディングをしてみたり。その場で感じた印象や浮かんだフレーズを持ち帰って、改めていろんな音の素材を作って曲にしていきました」(竹久)

 「前作はフィールドレコーディングした音を中心にしていたんですけど、今回は曲として表現したいと思ったんです。最近、フィールドレコーディング作品はこれまで以上に聴かれるようになっていますが、自分たちは、〈良い音で録る〉という事も大切ですが、その場の空気的なものも作品に込めることも意識して、音楽とドキュメントの狭間、みたいなものを目指しました」(松永)

 鳥の鳴き声に混じって電子音が浮遊するミュージック・コンクレートのような曲や、水音をダブのように加工した曲、シンセのドローンにスティールギターが乗った曲など、様々な手法で構築される不思議なサウンドスケープ。そこで〈歌〉のような役割を果たしているのが、竹久が弾く表情豊かなギターだ。

 「茶畑をいろんな視点で妄想しながら曲を考えました。例えば茶畑が女性だとしたら、今は老婆だけど若い頃はどんな恋愛をしたんだろうかとか。松永さんとの共作はドレミの世界じゃないところで音が混ざり合うのが楽しいし、自分にはそういう方が合ってる気がするんですよね」(竹久)

 現実と妄想の境界に広がる茶畑。そこで収穫された『Reflection』は、極上のお茶がそうであるように感覚を刺激して深い余韻を与えてくれる。

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