コラム

COMPUMA、京都の老舗茶問屋の創業150年を記念し竹久圏と制作した〈香る〉イマジナリー・サウンドスケープ

COMPUMA、京都の老舗茶問屋の創業150年を記念し竹久圏と制作した〈香る〉イマジナリー・サウンドスケープ

【Click here for English translation】

香る、イマジナリー・サウンドスケープ

 聞こえてくるのは、鳥のさえずり、小川のせせらぎ、風のそよぎ、虫の羽音、雨音など。その自然音は、どこかの木々に囲まれた屋外の風景を思い起こさせる。ギターが線条のように、そのサウンドスケープの上に音を描いていく。そこに、アブストラクトな電子音がオーバーレイされると、自然音ともうひとつのレイヤーを作り、自然のイメージの中に重なり、それは違和感なく風景の中に溶け込む。テルミンが空気中のエーテルを音にする楽器と言われたような、なにか目に見えないものの気配、なんとなく感覚することだけができる雰囲気のようなものが音像化されている。どこか落ち着く空間には、その場の空気になにかが漂うような雰囲気がある。

 本作は、京都の老舗茶問屋、宇治香園が、今年(2015年)創業150年を迎えるのを記念して制作された。依頼主は、当初は日本茶喫茶のBGMのようなものを想定していたというが、それはそこからより深化した、異次元の茶室へと通じるような、マインド・サウンドスケープとなって完成された。それは、「茶」と「音」と「光」の出会いをテーマとしたものである。たとえば、朝の光やお茶の香りをわたしたちが感じるのと同じような感覚を音響によって感覚させることができるかどうか。それは、イーノが言った、光の色や雨の音と同じように存在する音楽とも似て非なるものである。

COMPUMA,竹久圏 SOMETHING IN THE AIR -the soul of quiet light and shadow layer- SOMETHING ABOUT(2015)

 京都府南部の山間の茶園でフィールド・レコーディングされた自然音が、COMPUMAによってトリートメントされ、電子音とミックスされ、竹久圏によるギターがフィーチャーされ、イマジナリーな茶園のサウンドスケープを作り出す。プロダクションは、茶園や茶の製造工程などを見学した上で進められたという。

 作品は7つのシーンからなり、それぞれが異なる「茶」体験に誘ってくれる。それはもちろんお茶をいただきながらでもいいが、むしろこのサウンドスケープ自体が茶園やお茶や庭であるような体験なのだ。

【イヴェント情報】
〈宇治香園創業百五十年記念 COMPUMA feat. 竹久圏 「SOMETHING IN THE AIR -the soul of quiet light and shadow layer-」発売記念 “Sunday Evening Sessions” Party Down〉
日時/会場:2015年12月13日(日) Time Out Cafe & Dine(恵比寿LIQUIDROOM 2F)
開演:16:00
出演:
・LIVE/竹久圏 feat. COMPUMA、浅野達彦 × Dorianパードン木村
・DJ/COMPUMA、Le Perrie威力五木田智央
・VJ/onnacodomo
・FOOD/udo
入場料:2,000円(フライヤー持参:1,500円)
問い合わせ:
・Time Out Cafe & Diner(03-5774-0440)
・恵比寿LIQUIDROOM(03-5464-0800)
http://compuma.blogspot.jp/2015/11/1213compuma-featsomething-in-air.html

 

関連アーティスト