
それでもスペサンを続けるという決意
――そんなパンデミックの先にようやく光が見え始めた2023年に入って、ベースのKOUSUKEさんとギターのToshikiさんがまさかの脱退。そこにはハイな状態を経て緊張の糸が切れた、みたいなことがあったのでしょうか。
Misaki「コロナ禍の活動がどのくらい作用したのかはわからないんですけど、何かしら人生について考えるタイミングではあって、〈それぞれの道を歩もう〉という話になったんです。私も結成から何度かメンバーチェンジを繰り返してきたなかで、このメンバーで最後にするつもりだったから、〈4人でできないなら解散しよう〉と言ったんですけど、よしだだけは違っていて、〈オレは1人でも続ける!〉って」
――1人でどうやって?
Misaki「ってなりますよね(笑)。その頃、古着に〈SpecialThanks〉というバンド名の刺繍を施してマーチとして販売していて、それを続けたりしながら〈バンドの存在は維持するから歌いたくなったら戻って来ればいい〉って言ってくれたんです。そこで私も今一度考え直した時に、このメンバーでできないなら解散、すなわちバンド自体をやめたいわけじゃなくて、ほんとうは続けたいんだって気づいたんです。だからもう一回頑張ってみようと思いました」
――よしださんはなぜそこまでSpecialThanksにこだわったのですか? ドラマーは需要も多いので当面はサポートドラマーとして活動していくこともできたと思うんです。
Misaki「そういう話もあったよね?」
よしだ「でも、もともと僕には1人のドラマーとして活動していきたいという気持ちはなくて、バンドの一員、バンドマンでいたいんですよ。そのうえでSpecialThanksは他のバンドにはない歌の力や曲のよさがあって、なおかつ僕が個人的に好きな音楽との距離も近い。そうなると解散を受け入れて次に行く理由はないですから、1人でも続けてMisakiが帰ってくるのを待とうと」
――好きな音楽というのは、1990年代~2000年代のポップパンクやメロディックハードコアなどですか?
よしだ「そうですね。そのあたりの音楽がずっと好きで」
――それらのどういうところに惹かれるんですか?
よしだ「好きな音楽はいろいろあるなかで、何なんでしょうね……」
Misaki「魂が揺さぶられる」
よしだ「うん。やっぱり自分がまだ右も左もわからない中学生~高校生のときに魂が揺さぶられた体験って大きいよね」
Misaki「最初にカッコいいと思ったものの記憶って強いから」
よしだ「そしてその頃に好きになったバンドの多くが、今も活動を続けているんですよ。その信念やパワーがカッコいい」
Misaki「SpecialThanksに入る前にいたバンドはパンクじゃなかったのに、シングルペダルで速い2ビートを叩く練習を欠かさなかったんだよね?」
よしだ「そうなんです。そのバンドはそのバンドで頑張っていたし、いいインプットもあって楽しみつつ、〈いつかオレの2ビートが役に立つ〉、みたいな(笑)」