WHAT A WONDERFUL CHAIN!!
横山健と同時代を歩んできた仲間たちと、彼らの影響を受けた多種多様な後輩たち
横山健と同時代を過ごした面々と言えば、まずはHi-STANDARDとして活動を共にした2人――難波章浩と恒岡章。難波はハイスタの休止後、TYUNK、ULTRA BRAiNなど横山以上の多名義で作品を発表。本人としての初作『THE WORLD iS YOURS!』(2010年)には横山と恒岡も参加しており、現在はNAMBA69をメインにメロコア界を牽引している。また、恒岡はCUBISMO GRAFICO FIVEのメンバーにも名を連ねつつ、多くのサポート仕事にも参画。直近ではチャットモンチーの新作『共鳴』が記憶に新しいところだ。また、同世代/シーンの結束の強さも彼らの特徴の一つではないかと思うが、比較的に人脈を辿りやすいのは〈AIR JAM〉の出演陣。例えば、現在はKen Bandの一員として活動するMinamiが過去に在籍したKEMURI、Ken Yokoyamaがトリビュート盤に参加しているLOW IQ 01やHUSKING BEEなど直接的な〈線〉が見えるアーティストたちに加え、〈3.11〉を境に〈発信〉に対する意識を変え、音楽以外の復興活動にも近い意志を感じられるBRAHMANのTOSHI-LOWは、横山個人に重なる存在として想起される。
NAMBA69の2015年作『LET IT ROCK』収録曲“LET IT ROCK”
CUBISMO GRAFICO FIVEの2010年作『DOUBLE DOZEN』収録曲“Chukit”
また、後進に関しては影響力が強すぎるため、一部となるが……横山がスプリット盤『The Best New-Comer Of The Year』にフックアップすることで世に出るきっかけを得たSpecialThanksや新作でハイスタのカヴァーを披露したLEXTらメロディック界に直結するアクトや、〈AIR JAM〉直撃世代だと公言している9mm Parabellum Bulletやavengers in sci-fi、バンド結成の契機となった初回の〈AIR JAM〉に端を発する楽曲“1997”も発表しているMAN WITH A MISSIONなど〈ラウド〉な輩はもちろん、影響はそれ以外にも。Nakajin(SEKAI NO OWARI)はかつて横山やthe band apartのギターをコピーしていたというが、そのthe band apartも初期にハイスタを通過しており、グルーヴィーなロック繋がりなら、次第にソウル~ディスコ色を強めているUNCHAINも原点にあるのは同種のパンク・スピリット。その枝葉は多彩な音楽性へと伸び続けている。
SpecialThanksの2015年作『missa』収録曲“Love begets love”