40年のキャリアを経てまたまた充電完了! 反骨心も勢いもアイデアも経験もすべてフルチャージした新体制での初作『Supercharged』は、円熟しつつもピュアなパンクのエネルギーに満たされている!
オフスプリングが3年半ぶりのニュー・アルバム『Supercharged』を完成。通算11枚目となる今作は、ジョナ・ニモイ(ギター/キーボード/パーカッション)とブランドン・ペルツボルン(ドラムス)加入後の5人体制で作り上げた初の作品で、プロデュースは引き続きボブ・ロックが担当、聴く者の心を奮い立たせるパワフルな一枚に仕上がっている。生気漲る衝動を鋭く突きつけてくる作品について、ヌードルズ(ギター)に話を訊いた。
オフスプリングらしいアルバム
――今年はバンド結成40周年を迎えますね。
「信じられないよ(笑)。しかも今年は『Smash』(94年)の30周年でもあるんだ。『Smash』完全再現ライヴも数本やったし、あの作品から30年経ったのもいまだに信じられない。どの曲も古く感じないし、いまも新鮮でこの時代に通用するサウンドだと思っている。ライヴには若い人もたくさん来ているから、彼らも古いと感じていないんじゃないかな」
――そして、待望の新作が届きました。最初のアルバムのヴィジョンは?
「〈オフスプリングらしいアルバムをまた作ろうぜ!〉って感じかな。だいたいデクスター(・ホーランド:ヴォーカル/ギター)が作ったリフ、メロディー、コード進行をきっかけに曲を作るんだ。それからみんなでスタジオに入り、いろんなパートを付け加える。最初はジョシュ・フリーズがドラムだったけど、途中でブランドンが加入した。で、エネルギッシュな曲ばかりが揃ったから、デクスターが『Supercharged』というアルバム名を提案してきたんだ。『Smash』同様にワンワードでバシッとくるタイトルだし、それが現在のバンドの状態を表していると思うからね」
――ええ、今作は前作以上にライヴのエネルギーを封じ込めたパワフルな作品ですね。楽曲の幅を広げたり、アレンジに凝るよりも沸き上がるパッションをストレートに落とし込んだ曲調が多いなと。
「ありがとう! その通りだと思うよ。自分たちが書く曲は、思わず歌いたくなったり、思わず身体を動かしたくなる曲をめざしているからね。ここ最近もキャリア史上最高のライヴをやれているから、それが自然と作品に表れているんじゃないかな」
――すでに公開済みの“Light It up”はオフスプリング節とも言えるストレートなパンク・ロックです。〈戦いの準備はできた〉と歌詞にある通り、闇の中にいる人たちを救い出してくれるアッパーな曲調です。この曲はどんな背景から生まれたものですか?
「最後のほうに出来た曲で、デクスターがメロディーを先に思い付いたんだ。ちょっとオフスプリングらしすぎると思ったけど、いい曲だし、これで仕上げようと。何かの力に押さえ付けられた状況に対して、〈一人じゃないんだ、闘い続けよう!〉というパンク・ロックならではのメッセージを込めている。理不尽なものに抗うのは永遠のテーマだからね」
――MV公開済みの“Make It All Right”は〈パラッパパラー♪〉というコーラスがキャッチーでポップな曲です。この曲もオフスプリングらしいサウンドですね。
「自分の人生を豊かにしてくれる相手との関係性についての曲なんだ。かといって、抱き合うだけじゃなく、時には中指を立てたり、お互いを高め合う存在について書いたものなんだ。アップビートだけど、ただハッピーな曲というわけではないからね」
――“Ok, But This Is The Last Time”はスケールの大きなメロディーが印象的で、野外フェスなどで聴いたら最高にマッチするサウンドですね。
「個人的には“Self Esteem”(『Smash』収録)を彷彿とさせるんだ。歌詞については、本来ならば絶対にダメという事柄でも、一度飲み込んでOK!と答えることがあるよね? 例えばお父さんが子どもにお願いして〈じゃあ、最後だぞ〉って受け入れる関係性のことだね」