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歌モノに挑んだ2ndアルバム『Metéôros』、クラシックをDAWで作った3rdアルバム『魔術師の城』

――では、2ndアルバム『Metéôros』について。全編ボーカル曲で行こうというアイデアはどこから出て来たのでしょうか? 歌う姿が全くイメージ出来なかったです。

「最初から2ndは歌モノにする予定でした。とにかく色々な音楽を作ってみたかったので。作っていくうちにどんどんエレクトロポップ路線が楽しくなっていきましたね。私も自分が歌を歌うイメージはないのですが、DAWを使って一人で作るアルバムを完成させるためには自分が作詞・歌唱をやるべきだと強く思っていました」

――作曲は曲先だったのでしょうか?

「曲がある程度出来てから作詞します。主旋律のうちどこを歌唱にするか未定のことも多いです」

――『Metéôros』や新作『パラレルワールド』には、多くのシンガーソングライターや歌手とは明らかに異なる〈歌〉があるわけですが、武田さんにとって歌とは何でしょう?

「私にとってはその音楽が完成するのに必要な音の素材の一つです」

――歌モノでも構成要素が異なるだけで基本的な制作姿勢はインストと同じということですね。

「そうですね」

――1stアルバムをリリースした2018年以降、多くの人たちとのセッションやライブが増えてきました。吉田達也、坂田明、山本精一、横川理彦、鈴木慶一、マニ・ノイマイヤー、中村達也などなど。

「個人的にはドラマーやパーカッショニストなど、ビートやリズムを多く繰り出す方とご一緒するのがとても楽しいです。とにかく皆さんは音に対する反応がとても速い。自分は作曲を始めてから徐々に頭の中に具体的なメロディや音像が湧いてくるようになり、さらに演奏が楽しくなっていきました」

――相手を媒介に、そこから新たなイメージが湧き出ることもあるのでしょうね。

「ありますね。セッションの録音を聴いたり、相手の使用機材やアプローチを見たり、演奏面・作曲面ともにかなり影響を受けてます」

――即興であるライブと作曲をする録音物、それぞれどのような考えで臨んでいますか?

「主にDAW上の作曲は自分の中では絵画や彫刻のようなもので、ライブとは全く別のものと考えています。ライブは肉体が主体、録音物は脳が主体になっているイメージです。その捉え方の差異について、今後どのように変化をつけるのか、つけないのかも試してみたいと考えています」

――そして、3rdアルバム『魔術師の城』(2022年)は、クラシック~現代音楽作品ですが、これも最初から考えていたことですか?

「これも実は1stを作っていた時点で決まっていて、一つのジャンルを深く掘り下げたような作品にしたいと考えていました。DAWで100トラック以上使ってクラシックを作るというのは、ある意味無謀な挑戦でしたね。実はこの作品を作ってみて、自分がクラシックを何も理解していないことがわかったのでした。この作品に関してはやり残した、出来なかったことが沢山あるので、また10年後くらいに挑戦してみたいです」