ゆらゆら帝国のコード進行はヴィジュアル系と同じ
――次の曲行きます。“第13セクターの子供達へ”。
tink「宇宙っぽいVJが先にできていたので、歌詞はそこから生まれました。曲はmisujiさんがヴィジュアル系を通ってないことを活かして、ダブやレゲエ、フィッシュマンズやゆらゆら帝国みたいなことをヴィジュアル系でやりたいなって……。で、(tacato.の方を見る)丸投げ」
tacato.「この曲もめちゃくちゃ悩みました。サビのコード進行がめちゃめちゃゆら帝なのに、ヴィジュアル系と同じコードじゃん、と気づいたりもして。面白い発見もあった曲です」
tink「意外とライブを意識したかもしれないですね。ライブでグワシャーって音像を作る人たちが、音源ベースで音像をファーって作るのはできるかもしれないですけど、〈下北のライブハウス上がりの我々!〉みたいな音が出せるかなと思って、(tacato.に)丸投げしました。元々ダブのバンドやってて、そのバンドが良くてtacato.さんを誘ったので。そういう期待もありました」
tacato.「そしたらシューゲイザーみたいになっちゃった」
tink「それに、フィッシュマンズやゆらゆら帝国をリファレンスにすると、misujiさんがテンション上がるかなって」
misuji「フィッシュマンズは昔から好きでずっと聴いていたんです。自分はヴィジュアル系を通ってきてないんで、ヴィジュアル系がリファレンスのときは新しい曲と出会える楽しみがあるけど、今回の場合は〈わかる! 知ってる!〉みたいな。自然に影響が出たというか、雰囲気は出ているかもしれません。とはいえ、コピーはしていなかったので、難しかったところもあります」
tink「ベースのおかげで当初やりたかったダブやレゲエの感じも出てて」
kikato「ドラムのスタン! ボーン!みたいな派手な残響には、ヴィジュアル系なので80年代に流行ったゲートリバーブも使いました。フィッシュマンズや普通のダブだと、レトロなアナログディレイとかリバーブとかをかけたりするんですけど」
dagaki「ゲートリバーブは90年代のビーイングもよく使ってた気がする」
kikato「ROUAGEもよく使ってるんですよ。ダブっぽさも出るから面白いな〜って」
dagaki「ダブとヴィジュアル系の間の子みたいな不思議な空気になってますよね」
おもらしをこんな前向きに描ける人はいない
――ラストを締めくくるのは、“Highway to Tomorrow〜ダイナミックおもらし〜”。
kikato「僕の大好きなL’Arc~en~Cielの『DUNE』オマージュです!」
――透明感があって広がりのある幻想的なサウンド、完全に〈それ〉ですね。
kikato「それだけで終わってもつまらないので、全員のソロパートを盛り込みました。だから、覚えるのがすごく大変で……」
tink「シンプルに、いい歌詞が書けたと思っています。この曲に関しては歌詞を〈書く〉んじゃなくて〈描く〉ですね」
――それもある種ラルク的かもしれません。
tink「〈◯◯のように〉みたいなところは意識したかもしれないですね。〈傷口が癒えるように〉、〈空が晴れ渡っていくように〉みたいな。hydeさんが使ってる言葉そのままではないけど、hydeさんを彷彿とさせるというか」
――これが〈おもらし〉じゃなくて〈涙〉とかだったら、かなり印象が変わってくると思うんですよね。しみじみ体液の上か下かでこんな違うんだなって。
kikato「でも、〈勇気がもらえる〉という感想も多いですよ」
tink「おもらしをこんなに前向きに描ける人はいないな、と自分でも思っています」