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倫理観が本当にない人間ではない

――ちなみに、〈倫理がない歌詞〉というのは、色々な十字架のひとつの特徴ですが、これまでに倫理的な面でNGになったことはあるのでしょうか?

misuji「今回は初めて止めたことはありますね」

――どんなものだったのでしょう?

tink「”汗拭きシートで冬来けり”の歌詞の題材が、元々とびっこに関するものでした」

――えっ。

tink「遠隔バイブです」

――商品名がわからない意味の〈えっ〉ではなくて、引いてる〈えっ〉です。

tink「野性爆弾のくっきーさんとかが、YouTubeでポップに〈とびっこ〉って話しているのをみて、やれるんじゃないかと」

tacato.「Janne Da Arcの歌詞もかなりきわどいし、それの十字架版と思えばいいのかなと思ったけど……」

dagaki「全員で止めました」

misuji「倫理観が本当にない人間ではないので、信頼しています。今回もダメだと言ったらわかってくれましたし」

――倫理に反するわけではないものの、その判断は正解だと思います。“TAMAKIN”(『少し大きい声』収録曲)がセーフでとびっこがNGである理由の説明も難しいですが……。とにかく、皆さんに社会性があってよかった。

tink「よかったあ」

 

懐が深くて優しいヴィジュアル系の世界

――そして、『少し大きい声』を出して以降、活動の幅が広がっていったように感じます。それがタイトル『1年生や2年生の挨拶』にもあらわれているのかなと。さらに、今月行われるキネマ倶楽部ワンマンはソールドアウト、快進撃と呼んでいい状況です。ご自身ではどう捉えていますか?

kikato「ずっと〈なんで?〉って思ってます。もちろんかっこいい曲やかっこいいバンドをやっている意識はあるんですけど、正直ここまで評価をいただいている理由は未だにわかってないんです。大掛かりなプロモーションや宣伝もしていないのに……。ただ興味ある人が、ただただ増えていく状況に常にびっくりしてる。謎です」

――「ただ興味ある人が、ただただ増えていく」のならば、本当に着実に広まっていったということだと思うので、反対に安心していいのでは。

kikato「じゃあ、〈ありがとうございます〉って書いておいてください(笑)」

dagaki「ヴィジュアル系のスタイルはとっているけど、歌詞はふざけていますし、人によっては受け入れてくれないだろう、むしろ受け入れてくれる人の方が少ないんじゃないかという不安も強かったんですけど、思ったよりいい反応をもらえたり、先輩が声をかけてくれることが続いたり。音楽に関しては本当に全員真面目なので、それが純粋に伝わったのかな」

tink「元々ソロもやっていたし、〈歌詞が変〉というのは作風というか、変えられないというか、正直これしかできないんです。だから歌詞の内容を変えるつもりはなかったんですけど、たとえばMVの世界観や曲がかっこいいとか、意外と真正面から聴いてくれてるんだという驚きがあって」

――「これしかできない」とおっしゃいますけど、世界観の統一感ってヴィジュアル系において重要とされる要素のひとつだと思うんです。歌詞世界の一貫性があるからこそ、かっこいい曲やMVの世界観も生きるのかなと。それがたとえ〈ジジィ〉や〈ババァ〉、あるいは〈両津〉、〈カインズホーム〉だったとしても。

tink「これまで、ちょっと奇をてらったことをやると、〈またまたー〉みたいな斜に構えた見方をされちゃうことも少なくなかったんですけど、ヴィジュアル系で作品を出すと、好きだったら好き、嫌いだったら嫌いって、正面からちゃんと評価してもらえるところが嬉しくて。懐が深くて優しい世界だなと」

misuji「ヴィジュアル系を通ってない自分でも名前を知っているバンドの人たち、たとえばBugLugの燕さんや己龍の一色日和さんとも気がついたら飲みにいくようになったりとか、対等に接してもらえるようになって……」

tacato.「僕はヴィジュアル系が好きだし、過去にヴィジュアル系バンドをやっていたこともあるんです。ヴィジュアル系って、手間もかかるし、(他のジャンルに比べても)色々なことをやっている。それって好きじゃないとできないじゃないですか。そういうシーンの先輩や同世代の人が真っ当に見てくれるのは、自分たちの〈好きだから〉が伝わっている気がして、雲の上のような存在だった人たちとも音で繋がれるんだなって。すごく嬉しいです」

――お話を伺っていると、皆さんの楽しさや嬉しさが伝わってきます。いい意味でのアマチュア性というか、文化祭的な感覚のまま、クオリティの高いことをやっているというか。このまま楽しくやってほしいと思います。

tink「まだまだ、やってないことややりたい曲がいっぱいありますからね」

 


RELEASE INFORMATION

色々な十字架 『1年生や2年生の挨拶』 元気で笑顔が輝くレコード(2024)

リリース日:2024年11月13日(水)
配信リンク:https://ultravybe.lnk.to/1nenseiya2nenseinoaisatsu

■初回限定盤

品番:GEKR-1003
価格:5,500円(税込)
CD本体(歌詞カード付属)+特殊スリーブケース仕様+24ページ写真集ブックレット+メンバービジュアルカード(6種よりランダム封入)

■通常盤
品番:GEKR-1004
価格:3,300円(税込)
CD本体(歌詞カード付属)のみ

TRACKLIST
1. 繋がれた脳と線路という名の檻と赤
2. スワロウテイル
3. 耽美ヶ原小学校 校歌
4. 知識
5. ごぼう
6. GTO
7. LOST CHILD
8. かなり耽美(決定)
9. 汗拭きシートで冬来けり
10. 第13セクターの子供達へ
11. Highway to Tomorrow~ダイナミックおもらし~

 

■色々な十字架 info
https://lit.link/kanaritanbi