EMSシンセサイザーをフィーチャーした作品としては同社のSynthi 100での作品も入れると3作目、AKS単体としては14年以来となるので実に10年ぶりのリリースとなる。その間にもAKSを拡張する外部デバイスを用いたAKSの魅力を伝えてきた氏だったので、そのあたりを用いたものかと思っていたところ、なんと内蔵シーケンサー機能のみで奏でるのがコンセプト。氏の思いの詳細はブックレットの本人解説に譲るが、別途ランダム音階を奏でることができる以外はかなり原始的な機能を使って奏でられる平均律といった既成の枠を逸脱した旋律が新しい時代の新たなカノンとして現代の我々を魅了する。