人生において大切な〈ひらめき〉と〈気付き〉を音楽とともに

 「ナラティブ」は〈ひらめき〉を得るためのクリエイティブカードです。カード版とアプリ版があります。B・イーノのカード作品「オブリーク・ストラテジーズ」に影響を受けました。タロットを再検証、認知行動療法、ナラティブ・セラピー、量子力学の考えを取り入れました。様々な方に試させて頂きながら、試行錯誤して作りました。調和、悲しみ、プロセス……などヒントが描かれた裏返した40のカードから、これだと思うものを選びます。出たカードの意味を考察し、直感的な気付きを得るのが目的です。偶然出たカードの意味を自分の経験と即興的に結びつけ考察する、という感覚は、まさに私がやっている即興の音楽演奏の感覚と同じです。

 物事には良い面と悪い面が同居し、捉え方によって作用が変わります。「ナラティブ」で重要なことは、1)極論に容易に飛びつかない、2)決めつけをせず、もしかしたら?と仮定を考える、です。意味の捉え方が、将来の行動/状況に影響を及ぼす、というタルコフスキーの映画「ストーカー」や「ソラリス」のようなものと考えています。

 アプリ版では、カード機能に加え、各カードの音を自由にミックスして遊ぶ機能があります。各カードに対応する40の音から3つ(例えば、[空想]-[再出発]-[無邪気]のように)選び、アンビエントミュージックを作成できます。全部で9880通りの組み合わせが可能です。40の音は各カードの意味を表現し、シリアスなもの(例:罪悪感)からコミカルなもの(例:無邪気)まで、ピアノ、弦楽器、スティールパン、管楽器、シンセ、ドラム、など音色も様々です。オートモードでヨガなどのBGMにすることもできます。

 思い込みは、物事を膠着させ、時にはトラブルに発展します。気付きを得るにはきっかけが必要です。「ナラティブ」が、そのきっかけとなり、思考を柔軟にし可能性を広げるツールになってくれると嬉しいです。