
〈仕事〉でない音楽に求める、才能の絶対値のぶつかり合い
――こんねきさんは活動における音楽とお笑いのバランスについてはどのように考えていますか?
こんねき「とりあえず今は〈呼んでいただいたものに全力で〉って感じで、バランスはあんまり考えてないです。好きなお笑いをやって、好きな音楽をして、呼んでもらったら参加してる感じですね。音楽の仕事の方が多くなっちゃうことがもしあったら、お笑いの仕事は自分で頑張って増やします。そこは〈体力は無限〉って感じで立ち向かっていこうかなって。
ただどんなに音楽が増えても、私はやっぱりお笑いありきというか。お笑いによって生まれた炎を音楽のろうそくに移し続けてる感じなので、どんなにミュージックが増えても、自分はお笑い芸人だなって思っちゃいますね」
――トミーさんは役者のお仕事もされているそうですが、音楽とのバランスはどう考えていますか?
トミー「結構こんねきさんの考えと似てるなと思って、俺も年によってどっちの活動が多いかはバラバラだったりして。役者の場合はオーディションとかもありますけど、基本的には音楽でも役者でもオファーをいただいて出演する感じなので、自分の中で〈音楽が何割で、役者が何割〉みたいな設定はしてないですね」
――こんねきさんの軸はあくまでお笑いという話でしたが、トミーさんの場合はどちらかにプライオリティを置いているわけではなく、どちらも自分の表現?
トミー「そうですね。始めたのはサックスの方が全然先で、役者は30歳前ぐらいからで遅めだったんですけど、でもバランスで言うと自分の中ではイーブンって感じ。
ただ同じことをやっていく中でもいろいろ変えていきたいので、決めごとはあんまり作りたくないんです。例えば、ヘンテニの曲はソロでアドリブの部分が結構あったりするんですけど、絶対事前に決めないし、アドリブでいいフレーズが生まれたとしても、次はそれをなぞりたくないなって、性格的に思っちゃって。オクムラさんから〈この前のあれ良かったからまたやって〉って言われたらやるかもしれないですけど……」
オクムラ「僕はそれは絶対言わないですね。ソロでその瞬間に何の音を選ぶかって、完全に自由判断じゃないですか。自由判断をその場の決まった時間でやるって、絶対にその人の才能の最大値が出ると思うんですよ。そんな面白い瞬間を制約してどうするって思うから、〈同じことをやって〉とは全く考えないです」

――あくまで一般的なイメージとして、作曲家は自分のメロディーラインに対するこだわりが強い人も多そうな気がしちゃうけど、オクムラさんの場合はむしろ他人に委ねることによって最大値が出るっていう考え方なんですね。
オクムラ「そこはやる音楽によっても変わる部分で。僕はクライアントからオファーを受けて、ゲームやCMの音楽も作ってるんですけど、そういうときはもちろんソロパートは作らないし、全部決まった状態でクライアントに返しています。そのときの自分の心境は〈仕事〉なんですよ。
逆にバンドでやるときに何を求めたいかというと、相手の絶対値がすごい高くなっていると、自分も負けじとやらなきゃいけないじゃないですか。それがやっぱり楽しいんですよね。だから商業音楽を仕事と捉えると、バンドはもう楽しみでしかない。お金を稼ぐっていうモチベーションはバンドにはなくて、一緒にやる人とのぶつかり合い、そこで生まれる熱量を昔からずっと求めてますね」
トミー「それは俺も思ってるよ。今回のイベントもきっとそうなると思うんですけど、いいなって思う人たちを見れば見るほど、自分もやってやるぞって燃えてくるので、成長にも繋がるし、モチベーションも上がるし、いいことだらけです」
オクムラ「今回のイベントは対バンがすごいですけど、全員撫で斬りにしようと思ってます(笑)」