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レコードは音楽が本来聴かれるべき形

──さて、ここまで5枚のレコードを選んでもらったんですが、それぞれ音楽からの影響がちゃんとマヤさんの音楽に帰結しているのがよくわかるテイストでした。

「いろんな音楽に影響を受けてきたので、ひとつのスタイルに自分を置くのは本当に難しい。ずっとそう思っていました。アルバムタイトル『The Long Way Round』にはそういう意味も込めてます。多くの異なる音楽から影響を受けて、それを自分の音楽として表現するための長い回り道。コロナ禍のせいもあったけど、そこを突き詰める時間をもらえた。時間をかけて、私はこれでいいんだと自分で理解することが大事だったんです」

──若いマヤさんにとって、アナログレコードというメディアはどういう存在なのか、あらためて聞かせてほしいです。

「レコードって、何もかもが違って聴こえるんです。とても温かみがあって、純粋で、生々しい。それって音楽が本来聴かれるべき形なんじゃないかと思えます」

──あなたのファーストアルバムもレコードで出ますよね。

「早く手にしたくて待ちきれないです(笑)。今回のアルバムの半分の曲はアナログテープでレコーディングしているので、そのフィーリングを活かすのにレコードというメディアは正しいチョイスだと思います。

レコードを意識して曲順も考えました。どの曲をそれぞれの面の1曲目にするべきかとか、A面を温もりがあるサウンドの曲にするなら、B面は感じを変えようかとか。そういうことはたくさん考えました」

──今みたいにレコードがリバイバルする以前は、デジタル配信が主流になって、若い人たちはアルバム単位で音楽を聴こうとしなくなるんじゃないかとも言われていた時期がありました。

「私はいつも、誰かのアルバムを聴くときは、アーティストが意図した曲順で聴くようにしてます。そして、もしそのアルバムが一回聴いてピンと来なかったとしても、もう一回聴くんです。

ジョン・メイヤーは『Continuum』を作った当初、レーベルからリリースを拒否されたそうなんです。でも彼はもう一回聴いてもらうよう主張して、その結果、良さが理解され、あの名作はリリースされたんですよ」

──そして、レコードというメディアはご両親や、さらにその前の世代ともつながるメディアですしね。

「本当にそう。両親は今もレコードを聴き続けています。私たち3人で、レコードのコレクションをどんどん増やしてる状態なんです(笑)」

 


RELEASE INFORMATION

MAYA DELILAH 『The Long Way Round』 Blue Note/Capitol/ユニバーサル(2025)

リリース日:2025年3月28日(金)
品番:UCCQ-1216
価格:3,080円(税込)

TRACKLIST
1. Begin Again
2. Look At The State Of Me Now
3. Man Of The House
4. Maya, Maya, Maya
5. Jeffery (feat. Cory Henry)
6. Squeeze
7. Actress
8. Did I Dream It All
9. I’ll Be There In The Morning
10. My Balloon
11. Necklace
12. Never With You
13. Look At The State Of Me Now (Studio Live) ※日本盤限定ボーナストラック
14. Maya, Maya, Maya (Studio Live) ※日本盤限定ボーナストラック

 

LIVE INFORMATION
FUJI ROCK FESTIVAL ’25

2025年7月25日(金)26日(土)27日(日)新潟・湯沢町 苗場スキー場
オフィシャルサイト:fujirockfestival.com

 


PROFILE: MAYA DELILAH
北ロンドン出身。アデル、エイミー・ワインハウスなど多くのアーティストを輩出した名門、ブリット・スクール出身のシンガーソングライター/ギタリスト。TikTokやInstagramで計100万人を超えるフォロワーを獲得し、同世代の共感を呼べる等身大の歌詞とR&Bやソウルなどの音楽をオーガニックなポップへ昇華したサウンド、そしてトム・ミッシュを思わせるギタースタイルで注目される一方で、2020年には音源のリリースを開始。サム・ヘンショウとのコラボ曲“Breakup Season”をはじめ、“Tangerine Dream”、“Moonflower”など、リリース後早々に数百万再生を記録するなど大きな注目を集める。2022年にはブルーノート/キャピトルと契約し、デビュー・シングル“Pretty Face”をリリースした。また、ブルーノートのカタログを再構築し、英国シーンの新進気鋭のアーティストをフィーチャーしたコンピレーション『Blue Note Re:imagined II』に“Harvest Moon”のカバーで参加。ショーン・メンデスやメーガン・トレイナー、ジェイムス・ベイなどからも支持を集めるシーンの最注目株。フェンダーの次世代アーティスト支援プログラム〈Fender Next 2024〉に選出されている。
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