毎年順調にアルバムを届けるJOYSTICKKだが、この5作目は彼のミックスCDを手掛けた経歴もあるFILLMORE主宰のWESTAHOLIC経由で登場。ただ、もともとEMERALD仲間のKUTS DA COYOTEも属する縁深いレーベルだけにその意味での変化はさほどなく、今回のキーとなるのはKOHHと暴れる“LOLLIPOP”、息の合うAK-69との劇的な“Panorama”という先行カット(どっちも理貴のプロデュース!)で明確にされた主役の二面性だろう。各々の表情はアルバムの前後半に割り振られ、ZOT on the WAVEによる冒頭曲を筆頭にギラギラ騒ぐ前半もいいが、内省を埋め込んだ後半のリリカルな連なりには否応なくグッとくる。KOHHやANARCHY、Y'S、般若らが紡ぐここ最近のエモい潮流でも解釈できる力作だ。