Page 5 / 6 1ページ目から読む

〈猫〉と〈宇宙〉のユニット

――ところで、ふたりならではの強みって何だと思いますか?

あゆな「声じゃない? ふたりの声がすごく似ているとよく言われます。録音した曲を聴いてみて、自分たちでも、コレどっちだっけ?ってなるぐらいピタッと重なり合うときがある。それって誰とでもできるものじゃない。ハモリが重なったときの心地よさ、そこに生まれる癒しの空気、っていうのが私たちだからこそ生み出せるものかなと」

りさ「そこに癒しとか、懐かしさとか、切なさとか、そういうものを紡げたらいいなって思います」

――ふたりをつなぐ共通項って他にあると思います?

あゆな「猫だよね」

――猫をこよなく愛するコンビなんですね。

りさ「だからジャケットも猫にしてもらいました。ジャケットを描いてくれた小学生切り絵クリエイターKENくんは、猫好きならば絶対ファンになっちゃうくらい可愛い猫を描いてる方です。彼に描いてもらえたらいいなぁ、って夢物語のように話していたら実際叶ってしまって。擬人化じゃなくて擬猫化してもらったんですよ。

あ、あと共通項、もう一個あったよ。親が都市伝説好きだっていうこと(笑)」

――なんすか、それ(笑)。

りさ「それぞれの親が話していたおんなじ内容の話が、おんなじ情報源だったりする」

あゆな「ハハハ! 同じ日に同じことを言ってたって事実があとでわかったりして」

りさ「世界の裏側とか、宇宙とか精神世界の話とか、そういった話が日常会話に溶け込んでるような環境で育ってるんだよね(笑)」

あゆな「だから宇宙がさ……っていうような会話を真顔でできちゃうところはあるか」

――猫と宇宙の相関関係を音で追求しようとするユニット。カッコいいですね。

りさ「私たち、わりと視点が大きいかもね。ミクロとマクロの視点を自然に切り替えながら話ができるんですよ、何の違和感もなく。だから頭が固くならず柔軟に物事を判断することができる」

あゆな「りさちゃんの歌詞って、自分ではあまり意識していないと思うけど、風や森や木といった自然界の森羅万象というか、地球に存在する人間以外の対象がわりと多く登場してくるんですけど、そこがけっこう好きで」

りさ「好きかもしれない。意識してないけど」

あゆな「好きとか嫌いとか男女の恋愛の機微などを超えて、世界をもっとワイドに捉えた歌詞になっているのも好き」

 

ポップな音楽のなかに隠した秘密

――そういう話を聞くと、やっぱりリリィ・シュリンプの核には“森が好き”があるんだなって印象を抱かされます。

あゆな「歌詞に登場する〈この深くて温かい森が好き〉っていうフレーズ。シンプルなようでなかなか出てこないワードだなって思うし、この地球に生まれてきたことの意味を素直に見つめ直すきっかけを与えてくれるというか」

りさ「この曲を聴いて、私たちのDNAに刻まれた懐かしい何かを思い出して、というような感じ?」

あゆな「そうそう、そういうことです。わたしたち人間を自然界の一部として捉えると、〈森が好き〉って言葉がすごく肯定的に響くというか。遠い昔に刻まれたものを呼び起こしてくれるような力があるなって」

――ふと立ち止まってみて、大切な何かに気付くことを促してくれる歌詞でもある。

りさ「立ち止まってほしい、って気持ちはあるかもしれないですね。みんなにとって親しみやすいポップな音楽を作りたい、とはつねに思っているんですが、ポップななかに実は……みたいな秘密を隠すのが好きだったりする。

リリィ・シュリンプってグループ名には、小エビが跳ねるようなポップなもの、ってイメージも込めているんですね。名前の元になった〈ルリー・シュリンプ〉って瓶に入れて飼うちっちゃなエビで、瓶のなかでピョンピョンって跳ねているのが可愛いんですが、私は会社員なので、瓶に閉じ込められているって意味も含ませつつ……」

――そんな切ないメッセージも込められていたんですね……。

りさ「(笑)。このエビたちは自分の置かれている立場をわかっているんだろうか?とか思いつつ、楽しそうに跳ねている様子を眺めてるんだけど」

あゆな「何考えてるかわかんない顔してるもんね、エビって」