気合十分な大阪の3人組からラウドな音楽性を磨き上げたニュー・シングルが到着! 現状を打破して未来へ向かわんとする彼女たちの掲げた変わらない想いとは?

 2024年に心機一転リスタートし、ミクスチャー・ロックを基盤とした音楽性と熱いライヴが評判を呼んでいる大阪の3人組、Quubi。同年12月にはアルバム『Meme』を放ってライジングぶりをアピールした彼女たちから届けられた次の一手が、ニュー・シングル“Fading”。活動初期から制作に携わるthug.が新たに提供した3曲を通して、彼女たちの現在のモードに迫る。

Quubi 『Fading』 Vibla Music(2025)

 

不安を乗り越えたうえでの強さ

――昨年の『Meme』の取材時は皆さんにイケイケ感を感じたのですが、その後の心境はいかがですか?

村上華花「もちろん、いまも気持ちはイケイケですし、〈やったれ精神〉で前に進んでますけど、そのなかでジャンルの違いという壁を目の当たりにしています。私たちはアイドルとしてデビューしたので、そのジャンルでも戦いたいし、楽曲はロックなのでバンド・シーンでも戦っていきたい。でも、まずライヴに足を運んでもらう第一歩のところで壁を感じていて」

川原みなみ「そもそも大阪は東京に比べるとアイドルのライヴに来るお客さんの母数が断然少なくて。そこにもどかしさを感じるし、自分たちも伸び悩みを感じる部分はあります」

村上「それこそ最近、身近なアイドルやアーティストが解散したり、音楽活動が止まってしまうことがけっこうあって。先輩が抜けたりするのを見て、大阪・関西のシーンを盛り上げていかないといけないな、という責任感を感じています。まあ、〈もっとでっかくなりてえな〉って感じですね(笑)」

――そんな状況の中で届けられるシングルの表題曲“Fading”は、前作『Meme』収録の“Rising”のその後を描いた楽曲だとか。

村上「作詞のKosuke(Makimoto)さんは“Rising”の歌詞も担当していたんですけど、今回書くにあたって私たちの話を聞いてくれて。それこそさっき話したような前作以降の気持ちの変化とか、他愛もない話から汲み取ってくれました」

藤宮紬「〈未だ見ぬ〉とか〈先を見据えて〉とか、未来に関する言葉が多く入っていて。これまでの活動を未来に繋げていこう、というのが感じられるところが好きです」

村上「“Rising”は3人体制になった不安を乗り越えて前を向く曲だったけど、今回はその不安を乗り越えたうえでの私たちの強さが描かれていて。“Fading”は〈色褪せていく〉という意味なんですけど、これは海外では最近、題名はマイナスイメージだけど曲の内容自体はポジティヴという表現がトレンドということに倣って付けたもので、実は前向きな曲なんです。あと、ラップ部分にメンバーみんなの名前(〈遥か南 花咲く大地 足跡紡ぎ〉)が入っていて」

藤宮「しかも、その後にQuubiの名前も入れてくれてるので(〈到達 世界を掌握 Quubi〉)、歌う時にニヤニヤしちゃいます(笑)」

川原「落ちサビの〈変わらない想い掲げて〉という歌詞も“Rising”のサビに入っているフレーズで。いまの私たちも当時と気持ちは変わらず活動しているところともリンクしています」