白崎映美と畠山美由紀をゲストに迎え、ジャズもシャンソンも昭和歌謡も歌う!
マヌーシュ・スウィングの正統なる継承者にして、世界でも指折りの独創的なギタリスト、チャボロ・シュミットが7年ぶりに来日を果たす。われわれはまたしても、人生の達人が備えているすこぶる豊かな経験や知恵などを武骨にして温かな包容力のある演奏をつうじて授かる機会がふたたび得られるわけだ。嬉しいったらありゃしない。彼のライヴに参加するにあたってあらかじめ準備しておきたいこととしては、知識をしっかりと蓄えるよりも、なるべく心を大きく開放しておくほうが肝心だと、みずからの経験上そう言うことができる。ジャンゴ・ラインハルト直系のパーカッシヴかつスナップを効かせた奏法、余白と間を活かしたフレージング、そしてエネルギッシュでドライヴ感に溢れているけれど実に滑らかでメロディアスな速弾きなど、ギター・ファンならば息を詰めて凝視したくなるようなプレイが数々飛び出してくるけれど、とにかくもっとも強く訴えかけてくるのはわれわれの柔らかくて深い箇所だったりする。そして最後に残るのはいつも彼のソウルと情熱をこの耳でしっかり捉えることができたのだというかけがえのない喜び。これがホントにたまらない。


今回は全国5か所でのライヴが予定されているが(ベースのアンソニー・ムッチオ、ギターのジュリアン・カティオとのトリオ編成で来日するとのこと)、注目したいのは8月11日に草月ホールで行われる〈東京SWING祭り〉という何やら楽しそうなタイトルが付いたイヴェント。2022年に行われた越境のコンサート・シリーズ〈Beyond〉のvol.4として開催されるこの特別公演は、チャボロがメインアクトを務め、そこに白崎映美、畠山美由紀という〈Beyond〉参加経験者が加わって、〈ジプシー・スウィング × 昭和歌謡〉なる宴を催すという。わが国屈指の個性派にして実力派ヴォーカリスト両名もまた、さまざまなジャンルを跨ぎながらさまざまな旅を繰り広げてきた人生の達人で、スウィング、シャンソン、エキゾ系などにも精通している表現者。なんたってすぐれた柔軟性と抜群のコミュニケーション力をお持ちであるご両人のこと、音楽は国境や言葉の壁を軽々と超えていくものだといったモットーを掲げるチャボロとすんなり意気投合してしまうだろうし、当日は濃厚かつ刺激的な空気がステージ上を包むであろうことは容易に想像が可能だ。めくるめくめぐり逢いが果たされるであろう〈東京SWING祭り〉。ひょっとしなくても、この夏いちばんワクワクさせられるお祭りになるぞ! と断言しておこう。
LIVE INFORMATION
チャボロ・シュミット特別公演
越境のコンサート・シリーズ「Beyond」vol.4
東京SWING祭り
ジプシー・スウィング × 昭和歌謡
2025年8月11日(月・祝)東京・草月ホール
開場/開演:16:00/17:00
■ゲスト
白崎映美/畠山美由紀
チャボロ・シュミット 来日公演2025
2025年8月4日(月)山形・荘銀タクト鶴岡 大ホール
開場/開演:18:30/19:00
2025年8月7日(木)兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
開場/開演:18:30/19:00
2025年8月8日(金)大阪・あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール
開場/開演:18:30/19:00
2025年8月9日(土)埼玉・所沢市民文化センター ミューズ キューブホール ※SOLD OUT
開場/開演:15:15/16:00