このタイミングでリイシューされるタイトルも含め、マイケルとグループ周辺の主要作を簡単に紹介していくよ!
プロモーション的にダイアナ・ロスが〈発見〉した体で完成されたファースト・アルバム。ボビー・テイラーが原石を磨き上げるべく歌わせたソウル名曲のカヴァーが10曲を占め、ベリー・ゴーディ率いるコーポレーションの制作は鮮烈なデビュー・シングル“I Want You Back”とマイケル&ジャーメインがリードを取る“Nobody”のみ。“Who’s Lovin’ You”や“Stand!”はオリジナル顔負けだ。
初作から半年で届けた2枚目のアルバム。コーポレーション主導のバブルガム曲が増し、“ABC”と“The Love You Save”が連続で全米1位を記録した。ジャーメインがリード歌唱の“I Found That Girl”も甘酸っぱい名曲だ。伝統的なソウルのカヴァーではミラクルズ“(Come ’Round Here) I’m The One You Need”とデルフォニックス“La-La (Means I Love You)”でのマイケルが凄まじい。
さらに5か月のスパンで放った3作目。コーポレーションに加えてハル・デイヴィスもプロデュースに参画し、4曲目のNo. 1を獲得したバラードの“I’ll Be There”、バブルガム路線の“Mama’s Pearl”、故郷を思うロックンロールの“Goin’ Back To Indiana”など曲の幅もカラフルに広がっている。等身大ヴォイスのジャーメインが主導する“Bridge Over Troubled Water”も聴きものだ。
『Christmas Album』を挿んでの4作目。クリフトン・デイヴィス作の“Never Can Say Goodbye”、コーポレーション作のタイトル曲という儚いヒット・ナンバーを筆頭に大半の曲がミディアム〜スロウ系で固められている。サンプリング人気の高い“It’s Great To Be Here”、役割の増えたジャーメインが歌う“I Will Find A Way”など瑞々しいヤング・ソウル感に満ち溢れた佳曲集だろう。
ソロ・デビューしたマイケルが変声期に入りはじめた頃の録音で、いわゆるキッズ感が後退していく様子を映した5作目。ファミリー感で楽しくお送りするボビー・デイのカヴァー“Little Bitty Pretty One”もあれば、キャッチーなシネマティック・ファンクの表題曲もあり、必然的に70年代ソウル的な憂いや旨味も増して響く佳作だ。
『Maybe Tomorrow』の後にTV特番のサントラ『Goin’ Back To Indiana』を経て登場したソロ・デビュー作。フォーキーなバラードの表題曲、バブルガムなボビー・デイのカヴァー“Rockin’ Robin”、リオン・ウェア&アーサー・ロス作のエモーショナルな名曲“I Wanna Be Where You Are”などグループとはまた違う雰囲気の曲が並ぶ。ビル・ウィザースやキャロル・キングのカヴァーも良好。
初作からおよそ半年でのセカンド・アルバム。引き続きコーポレーションとハル・デイヴィスがバックアップし、スタイリスティックスやテンプテーションズ、ブレンダ・ホロウェイらのカヴァーを中心に披露。感情の入れ方が凄い表題曲はソロで初の全米1位を獲得し、同名映画の主題歌としてゴールデングローブ賞も受賞した。ネタ人気の高い“We’ve Got A Good Thing Going”もここに収録。
スタンダードやミュージカル曲が多めでグループとの差別化を図ったようなサード・アルバム。『Skywriter』と前後して変声が進んでいく過程で録音されているが、繊細なタッチのナンバーが多いこともあり、シンプルに聴き惚れることができる。大らかな“Happy”のほか、スティーヴィー・ワンダー“With A Child Heart”やジャッキー・ウィルソン“Doggin’ Around”のカヴァーも聴きものだ。
コーポレーションの関与も激減し、当時もっともヒットしなかったとされるアルバム。ただ、疾走感のある表題曲やミュージカル曲だった“Corner Of The Sky”、フレディ・ペレン作のポップな“Hallelujah Day”など良曲が多いのは変わらず。マイケルの声がテナーになった状況を活かしてヴォーカル・グループ的な一体感で押す曲も楽しい。
ハル・デイヴィス単独で制作した転機作。自作曲を望むメンバーの不満をなだめるべく(?)アイドル路線からの脱却が進み、“Hum Along And Dance”などのサイケデリック・ソウルでは全員に見せ場が用意された。プレ・ディスコ的な“Get It Together”と“Dancing Machine”は次に繋がっていく。マイケルのヒーカップ唱法も初登場。
ブートのようなジャケだが……当初は日本でのみリリースされたライヴ盤『In Japan!』と同じ中身の正規盤。『Skywriter』と『Music & Me』のリリース直後にあたる73年4月の大阪・厚生年金会館での公演の模様が収録され、ソロ曲も交えつつ声変わりの過程で懸命に歌うマイケルの様子には胸を打たれる。ラストまで聴き逃し厳禁!
前作収録曲をアップデートしたディスコ・チューンのタイトル曲が全米2位/ソウル・チャート首位という久々の大ヒットを記録。ファンク・ロックの“I Am Love”や“Whatever You Got, I Want”もスタイリッシュだ。マイケルの歌唱も以降の姿に近い状態で安定し、“If I Don’t Love You This Way”など隠れた名曲も数多い。
“Dancing Machine”の成功もあってかグループ活動にしばらく専念し、あの美声を手に入れたうえで2年ぶりに吹き込んだモータウンでの最終ソロ作。古巣に出戻ってきたブライアン・ホランドがハル・デイヴィスとプロデュースを分け合って半分ほどを手掛け、エモーションの漲る“We’re Almost There”や“Take Me Back”“Just A Little Bit Of You”など爽快なグルーヴ感の強い楽曲が揃う。
モータウンでの最終作にして、オリジナル編成での最後のアルバム。ホランド兄弟やマイケル・ラヴスミスが制作に加わってサウンドもよりグルーヴィーに進化。シュープリームス曲をディスコ化したシングル曲“Forever Came Today”や人気の高いバラード“All I Do Is Think Of You”など、隅々まで良曲が多い。
ジャクソンズのエピックからのデビュー時期にぶつけて用意された、モータウン時代の未発表曲集。72〜75年の録音のなかから、マーヴィン・ゲイのカヴァー“Pride And Joy”やマイゼル兄弟による“Love Is The Thing You Need”などの親しみやすいナンバーが蔵出しされている。当然ながらどれもクオリティは一定以上だ。
ジャクソンズ“Blame It On The Boogie”のヒット状況を見てモータウンが新たに蔵出しした未発表音源集。今回は69〜73年という初期の録音も含むのが貴重で、スティーヴィー・ワンダーやヤング・ラスカルズのカヴァーを幼いマイケルの解釈で楽しめる。ややネタ切れ感もありつつ、まだまだ名品が眠っていたことは後に明らかになる……。
『Thriller』の歴史的ヒットが続くなかで、モータウンから蔵出しされたアーカイヴ音源集。74年リリース予定だった幻のソロ作に近い形で9曲がピックアップされ、マイケル・ラヴスミスらが時代に合わせて音を加えている。そんな成り立ちながらも爽快なアップの表題曲は全英7位のヒットを記録。それほど当時のマイケル現象は凄かったのだ。
マイケルの『Got To Be There』から半年後に届いたジャーメイン初のソロ・アルバム。ジョニー・ブリストル制作のデビュー・シングル“That’s How Love Goes”を筆頭に、独特のアーシーな哀愁ヴォイスを活かすべくコーポレーションやハル・デイヴィスが力を入れている。ここからはシェップ&ザ・ライムライツのカヴァー“Daddy’s Home”が全米9位のヒットを記録した。
ジャクソンズ名義になったエピック移籍作。ジョイント契約したPIRのギャンブル&ハフがプロデュースを担い、MFSBを従えて陽気な初ヒット“Enjoy Yourself”や全英1位を獲得した名スロウ“Show You The Way To Go”などを披露する。マイケル自作の“Blues Away”に加え、彼とティトが共作した“Style Of Life”も収録された。
引き続きギャンブル&ハフ制作のセカンド・アルバム。表題曲や“Music’s Takin’ Over”では爽やかに洗練されたフィリー・モードの姿が楽しめる。一方、5人で共作した“Different Kind Of Lady”と“Do What You Wanna”は次への自信に繋がったはず。また、自作ならずとも全員で歌った反戦歌“Man Of War”は後のマイケルにも通じる。
念願のセルフ・プロデュースに臨んだ傑作。先行ヒットした“Blame It On The Boogie”を除く全曲がメンバーの自作で、なかでもマイケル&ランディのペンによる“Shake Your Body (Down To The Ground)”は全米7位を記録するジャクソンズの代表曲となった。グレッグ・フィリンゲインズら馴染みの演奏陣もここから参加。
モータウンの映画部門がダイアナ・ロス主演でブロードウェイ・ミュージカルを映画化した「ウィズ」のサントラ。かかし役に起用されたマイケルは、単独での“You Can’t Win”やダイアナとの“Ease On Down The Road”などを披露している。ここでサウンド・プロデュースを手掛けたクインシー・ジョーンズと邂逅することになった。
クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えて大躍進したエピック移籍後の初ソロ作。何かの幕開け感に溢れた“Don’t Stop ’Til You Get Enough”や“Workin’ Day And Night”などダンサブルな自作曲もいいが、至上の名曲“Rock With You”などロッド・テンパートンによる3曲も含めて全方向にポテンシャルを解放した大傑作だ。
独立後はセルフ・プロデュース路線を歩んでいたジャーメインが、ジャクソンズやマイケルの躍進に触発されて生み出した傑作。スティーヴィー・ワンダー制作のファンキーな表題曲がソウル・チャート首位をマークする代表曲となったほか、“You’re Supposed To Keep Your Love For Me”など他曲でも逞しい魅力を発揮。アルバムもソウル1位/全米6位を記録するソロ最大のヒット作となった。
『Off The Wall』でクインシーから制作作法を学んだマイケルが中心となり、個々が創作意欲を持ち寄ったグループでの最高傑作。マイケルがジャッキーと共作した勇壮な“Can You Feel It”やランディと書いた“Lovely One”がヒットしたほか、映画でも印象的に使われたマイケル作の“Heartbreak Hotel”など逸曲が揃っている。
映画でも音源が転用されていた、北米ツアーの模様を収めたジャクソンズ名義で唯一のライヴ盤。直近の『Triumph』以上に『Off The Wall』からの曲が待たれている残酷な様子も聴いて取れる。バックの演奏にはマイケル御用達ドラマーになるジョナサン・モフェット、『Thriller』を支えたシンセ奏者のビル・ウルファーらが参加。
もはや書くこともないぐらいの金字塔。映画でもフィーチャーされた説明不要な大曲たちに加え、ポール・マッカートニーとデュエットした“The Girl Is Mine”が先行で全米2位を記録している。“Thriller”を書いたロッド・テンパートン提供の、しなやかな“Baby Be Mine”と極上の“The Lady In My Life”にももちろん注目だ。
ジャーメインとのリユニオンによって揃い踏みが実現した6人での唯一のアルバム。看板の大きさに対して中身は各人が主導曲を持ち寄る形となり、マイケルはセルフ・プロデュースの繊細な完全ソロ曲“Be Not Always”、ミック・ジャガーとのデュエット“State Of Shock”を提供。“Torture”ではジャーメインと手合わせもした。
現象が勢いを増すなかで生み出したパワフルでストロングな大作。心身の不調だったクインシーの関与度合いは後退し、そのぶんパーカッシヴでアグレッシヴなマイケルの筆捌きがより濃厚に出ている。威勢のいい表題曲から執拗なリズムで襲う“Smooth Criminal”まで、楽曲ごとのキャラクターやアトラクション感も明快で痺れる。
半数ほどでテディ・ライリーを迎えてストリート感を獲得しつつ、従来路線もゴージャスにアップデートした贅沢な大作。簡素に磨かれた後期ニュー・ジャック・スウィングとマイケルの呼吸がピッタリ合った“Remember The Time”や“In The Closet”がある一方、マイケルならではの“Black Or White”や“Heal The World”も真摯に迫る。
ベスト盤と新曲集をセットにした2枚組というスタイルで届けた一作。妹ジャネットと組んだ“Scream”などでジャム&ルイスと邂逅し、ダラス・オースティンやデヴィッド・フォスターも起用。力強い“They Don’t Care About Us”や美しい“Stranger In Moscow”もありつつ尖った感情も飛び交う、この時期ならではの内容だ。
『Dangerous』のアウトテイクだったテディ・ライリー作の躍動的な表題曲など初出曲たちに、『HIStory』収録曲のリミックスを盛り込んだ変則的な構成の一枚。新曲は硬質な鎧のような“Is It Scary”など重めの曲が中心で、一転してリミックスではフランキー・ナックルズが明るく響かせた“You Are Not Alone”などハウスが特に映える。
最後のオリジナル・アルバム。大抜擢のロドニー・ジャーキンスが先行シングル“You Rock My World”やバウンシーな“Heartbreaker”などを手掛けたほか、テディ・ライリーやベイビーフェイスも起用。シリアスな曲が並ぶなか、マーシャ・アンブロウジアス作の“Butterflies”のようなメロウな表情にも心が動かされる。
ロンドンでの定期公演〈This Is It〉のリハーサルを収めた記録映像作品の劇場公開に合わせてリリースされたサントラ的なコンピレーション。表題曲はポール・アンカと80年に共作していた楽曲のデモを元にしたもので、ジャクソンズの面々がコーラスを追加。当時の初回盤では“Beat It”などの貴重なデモを聴くこともできた。
当初は10曲入りで世に出るも、ヴォーカル・トラックの信憑性が疑われた結果、現在は7曲入りとなっている未発表曲集。YMO曲に歌詞をつけて歌った“Behind The Mask”などの例外もありつつ、主に2000〜2008年頃の録音がベースでエイコンやレニー・クラヴィッツ、テディ・ライリー、ネフ・Uらとの仕事が確認できる。
過去の未発表音源をティンバランドやスターゲイトら当代の面々がコンテンポラリーに更新して聴かせたアルバム。ポール・アンカと80年に共作したメロディアスな快曲“Love Never Felt So Good”を筆頭に、LA・リード&ベイビーフェイスやロドニー・ジャーキンスらの取り組んださまざまな時代の楽曲が集められている。
問答無用な『Thriller』の40周年記念エディション。25周年記念盤もおもしろい内容だったが、こちらはDisc-2にB面曲やレア・トラック、未発表のデモなどがドッサリ集大成されている。曲名が変わる前の“Starlight”や 収録候補だった曲のデモなどが満載。豪華な装丁も含めて、これは可能なうちに入手しておきたいものですね。




































