初の新書で語った事務所退所と独立による〈心機一転〉

二宮和也が自身初となる新書「独断と偏見」を発表した。本書は、2023年秋に長年在籍した事務所から独立し、個人事務所となる〈オフィスにの〉を設立した後、2024年3月以降に二宮の口から語られた〈言葉〉の数々をまとめたもの。ビジネスや人との付き合い方、さらには死生観にいたるまで多種多様なトピックについて言及した、ファンならずとも注目の一冊に仕上がっている。

二宮和也 『独断と偏見』 集英社(2025)

※編集部注 二宮和也「独断と偏見」は非常に人気商品であるため、2025年7月16日現在、タワーレコード オンラインでは品切れになっていることがございます。本書は重版されており、タワーレコード オンラインには順次、再入荷されています。ご了承いただけますと幸いです。なお、店頭には在庫がある可能性がございますので、店舗取り置きサービスのご利用や各店舗へのお問い合わせをおすすめいたします

「独断と偏見」は、各章で四字熟語をテーマに設定。長年の付き合いのある編集者から寄せられたテーマに関連する計100個の問いに対して、二宮は親しみやすい口語調で回答していく。第一章〈心機一転〉では、驚くほど早いスピード感で進んでいった前事務所からの退所の展開や、独立直後の〈完全ひとり〉状態で行なわれていた仕事の様子など、新たなスタートを切った二宮の姿を知ることできるだろう。事務所を辞めた日に渡された、(笑)なアイテムとは。

 

仕事術から松本潤ら仲間たちへの想い、デリケートな話題まで

その後も各章にて、〈温故知新〉〈魑魅魍魎〉〈花鳥風月〉といった四字熟語が登場。芸能界で培ってきた経験に基づく数々の〈哲学〉はもちろん、後輩とのコミュニケーションについてやチームの結束力を保つ秘訣など一般社会で生きる我々にとっても身近なトピックについて言及しているあたりは、〈THE新書〉といったところ。また、ファンならばおなじみ(?)かもしれない〈お金〉に関する話題も。投資に関する話では、資産運用として自分がCMでお世話になっている会社の株を購入しているという、芸能人ならではともいえる独特な〈マネートーク〉が繰り広げられる。

さらに、作中では同じ世界で活躍する仲間たちの名前も。松本潤や大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)といった面々のほか、ファンにもよく知られているマネージャーのぱーやんについてや〈株式会社オフィスにの〉の社長である木脇祐二という裏方で二宮を支える人々について触れる箇所もあり、現在の二宮和也の〈相関図〉の一部を窺い知ることもできるだろう。

そして、〈二宮和也〉と銘打たれた最後の章となる第十章。取材が行なわれた2024年12月の時点における嵐の活動に対する考え、個人の公式Xを同年11月に一時休止した理由と怒り、ネットニュースなどでも取り上げられたジャニー喜多川への言及など、デリケートな話題を盛り込みながら、〈おわりに〉〈編集者によるあとがき〉が続き本書は幕を閉じる。前述したように口語調での文章によって構成されていることや新書というスタイルも相まって、スイスイと読み進めていけるだろう。ぜひ気軽な気持ちで手に取ってもらいたい。

 

嵐の活動終了前にこそ知りたいニノの姿

さて、今後の二宮和也だが、カバーアルバム第2弾『〇〇と二宮と2』が7月2日(水)から各音楽配信サービスにてダウンロード&ストリーミング配信がスタートしたばかり。加えて、主演映画「8番出口」が8月29日(金)から公開され、岡田准一や清原果耶、吉岡里帆、伊藤英明らと共演するNetflixシリーズ「イクサガミ」が11月から世界独占配信されるなど、精力的な活動を展開していくようだ。

そして、嵐の活動再開と来春に予定されているコンサートツアーをもっての活動終了という、自身のキャリアにおける重要なターニングポイントを迎えることが決まっている。果たしてその先にある〈二宮和也〉の姿とは。稀代の表現者がどんな景色を我々に見せてくれるのか、注目しないわけにはいかない日々は続いていく。

 


BOOK INFORMATION

二宮和也 『独断と偏見』 集英社(2025)

発売日:2025年6月17日(火)
ISBN:978-4-08-721368-3
価格:1,100円(税込)
新書判/192ページ

目次
はじめに
第一章 心機一転
第二章 適材適所
第三章 温故知新
第四章 喜怒哀楽
第五章 一心同体
第六章 魑魅魍魎
第七章 輪廻転生あるいは永劫回帰
第八章 猪突猛進
第九章 花鳥風月
第十章 二宮和也
おわりに
編集者によるあとがき

 


PROFILE: 二宮和也
1983年6月17日生まれ、東京都出身。1999年、アイドルグループ〈嵐〉のメンバーとしてデビュー。映画やドラマ、バラエティ、CMなどで幅広く活躍。2025年現在、最近の主な出演作品に映画「ラーゲリより愛を込めて」「アナログ」「8番出口」、ドラマ「ブラックペアン」シリーズなど。2016年、映画「母と暮せば」で第39回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。著書に「二宮和也のIt [一途]」(集英社)がある。