メリークリスマス。今年最後の〈Mikikiの歌謡日!〉です。Mikiki編集部のスタッフが毎週〈トキめいた邦楽ソング〉をレコメンドするこの連載。更新は火曜(歌謡)日、今週も各々イチオシの楽曲を紹介していきます。紹介した楽曲は下記SpotifyとYouTubeのプレイリストにまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部
【酒井優考】
tricot “真っ白”
2019年はどんな年でした? 個人的には、ちょうど1年前に派手に骨折してそのリハビリに半年以上通ったり、椎名林檎言うところの〈あの人に愛して貰えない今日を正面切って進もうにも難し〉かったり、なんだか嫌なことばかり思い出してしまうけれど、良いこともたくさんありましたよね、たしか。嫌なことを思い出す時は、耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に音楽を聴くことにします(だからやっぱり耳は閉じないでおきましょう)。きっと音楽が私を、あなたを救ってくれるはずでしょう……。そんな音楽を毎週紹介するこの連載も今年はこれが最後。来年もよろしくどうぞお願いします(すでに来年リリースのすげえ音楽もちらほら届いてます)。全アーティストに感謝。
踊Foot Works “Angel”
今年大躍進した踊Foot Worksからクリスマスプレゼントが到着(上記画像のQRコードからどうぞ)。やっぱりPecori氏の声がいい。そして楽曲は遊び心がたっぷり。このバランスがいいと思います。
NP “To my Alien”
ナツコ・ポラリス改めNP(でいいのかな?)からもクリスマスプレゼントが。こちらは泣いちゃうよ。
aymk “boredom”
何度か紹介しているあゆ巫女さんのソロ・プロジェクト的な名義aymkの自主音源。暗くて冷たくて無機質なのにどこかに官能的な要素もあって、唯一無二だなっていつも思います。
エンヤコーラーズ “月の熱”
もし銭湯を貸し切れるとしたらかけたい曲ナンバー1ソング。
レトロな少女 “アリスとテレス”
レトロな少女、ハズレがなくないですか?
ジオラマラジオ “絵空模様”
今年7月に開催した〈Mikiki Pit Vol. 9〉でも演奏されていたライブではお馴染みのナンバーが配信リリース&MVも公開。ユニットのマスコット・キャラでもある、さかきばらみなちゃんがメイン・ヴォーカルをしているのがレアだし色っぽいし、なんか鐘の音とか鈴の音がしてクリスマスにも合うし、すごくいいです。
HIDEKI NAGANUMA “FEEL the POWER in YOUR SOUL”
力こそパワーなり。それでは皆様良いお年を。
【天野龍太郎】
butaji “中央線”
今週の一曲。いや、これはもう、遅れてやってきた2019年の一曲です。
butajiがこんなにストレートなポップスを歌うなんて……。“中央線”を聴いていると、思わず泣いてしまいます。言葉になりません。
Gi Gi Giraffe “Life up”
今週の一曲、その2。
慕情tracksのコンピレーション『慕情 in da tracks』のカセットに入っていた“Ever Ever”もよかったGi Gi Giraffeのニュー・シングル。アイデアと遊び心たっぷりの、超最高なインディー・ポップ。跳ね回るリズム、ビートが肝。
The World Will Tear Us Apart “When She Sleeps”
先週の “S.O.S.”に続く新曲。ミニマルなビート、歪んだシンセ・ベース、エレピ。曲の半分を過ぎたあたりでカットインしてくるギターに驚かされます。あと、わたしはミッスこと谷井啓太の歌と詞がめちゃくちゃ好きです。アルバム『Let's Get Lost』は、明日12月25日(水)リリース。
佐々木伶 “鶏を食べてワイン飲む”
そのThe World Will Tear Us Apartのギタリスト・大橋翔司がプロデュースした、佐々木伶のクリスマス・シングルの1曲目。〈20日の街コンは/既にキャンセル待ちになってる/辛くない 悲しくもない/ぬるま湯を抜け出さなくてもいいだろう?〉という歌詞が泣けてくるロックンロール。〈生活に追われ/失った季節感〉。わかります。
シンリズム “無重力の時期”
“未確認のスーパースター”に続いて発表されたニュー・シングル。マエストロっぷりに脱帽です。ホーンのアレンジがけっこう変態的で、ぶっとばされます。
VENUS PETER “Heartbeat”
キャプションに〈同世代はもちろん、フューチャー・イズ・マインな次世代達にも贈る再始動したヴィナペからのエヴァグリーンなメッセージ。〉と書かれていて、For Tracy Hydeの夏botさんを真っ先に思い浮かべました。
black midi “bmbmbm (Dos Monos Remix)”
Mikikiでも特集を組んだ英ロンドンのバンド、ブラック・ミディの“bmbmbm”をDos Monosがリミックス。先日の来日公演でサポート・アクトを務めた縁から、だとは思うのですが、ハマりすぎです。“bmbmbm”はヴォーカリストのジョーディがポエトリー・リーディング(?)をする曲なので、〈これ、ラップが乗ったらかっこいいだろうな〉って思っていました。そんな予想をさらっと裏切りつつ、エッジーなヒップホップに仕上げたDos Monosの3人に拍手を。
Jin Dogg “黙 (SHUT UP)”
やばい……。やけっぱちにキレているような、あるいは嘆いているような、とにかくカミソリみたいに鋭いラップにあてられます。
TYOSiN “8 remix ft. Shaka Bose 釈迦坊主”
TYOSiNの“8”に釈迦坊主がジャンプイン。釈迦坊主のラップ、リリックがほとんど聴き取れないのですが、音として超すぐれていると思います。響きがドラッギーすぎ。
嵐 “A-RA-SHI : Reborn”
先日ご紹介した新曲“Turining Up”に続き、〈めちゃくちゃいいな……〉とため息が出ました。フューチャー・ベース感のあるダンス・ポップ路線で、イントロだけで〈ありがとうございます!〉って言いたくなります。それにしても、活動休止前にもかかわらず(だからこそ?)、バリバリ働きまくる5人の姿にしびれますね。っていうか、“A・RA・SHI”って20年前の曲なんですか……。
【田中亮太】
NOT WONK “Your Name”
まろやかなベース、温もりを感じさせるドラム。まず音の良さに驚かされた。そして、慈しみと官能をあわせもちながら徐々に少年性も曝け出してみせるヴォーカルは、歌い手・加藤修平が(現時点での)完全形に辿り着いたことを印象付けている。なによりすごいのは、まったく曲の展開が読めないこと。彼らは〈ギター・バンドが終わってないこと〉をこの1曲で証明した。
Hi, how are you? “あわゆき”
本日ハイハワから届いたクリスマス・プレゼントは、まぶちリーダーが初の作詞作曲。〈鐘の音が近づいていく/遠のいていく〉。クリスマスの風景を切り取った鮮やかなフレーズ。
【高見香那】
Kaede “花束”
元旦リリースのファースト・フル・アルバム『今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる。』の、堀込泰行が手掛けたリード曲。爪弾かれるアコースティック・ギターのやさしい音色に乗せて丁寧に歌い進めていくKaedeさんの歌にジーンときてしまいます(Negicco)。素晴らしい表現力。
【小峯崇嗣】
松木美定 “残り火と椅子”
2018年、仕事の傍ら活動をスタートさせたシンガー・ソングライター、松木美定。先月発表した新曲”残り火と椅子”をピックアップしました。個人的にいままで発表された4曲の中で、一番好きな曲です。美しく澄んだピアノの旋律に、柔らかな彼の美声が絡まりあい、心の奥底まで響く名曲です。
TOWER DOORSでは彼にメール・インタビュー〈6つの質問〉を行っていますので併せてぜひチェックをしてみてください。