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マネージャーが飛んだエピソードは実話!?

――3つめの「Wonderful words」。こちらは演歌歌手のレコーディングというものですね。これもまた今のおふたりがやるとさらに味わい深いというか。

設楽「昔からこういうのも結構やってるんですよね。20代からやっているけど、やっぱりどんどん貫禄が出てくる(笑)。ここに出てくる人と同じようなときがあるもんね」

日村「うん、俺も普段こんなときがある(笑)」

――日村さん演じる、〈ひさ山田げん太〉の貫禄もさることながら、プロデューサー役の設楽さんの貫禄もすごいですよね。何も動じないというか。

設楽「そう、この人のときしか卓には座らないよっていう(笑)。こういうのも好きなんですよね。レコーディングスタジオの卓とブースで別れてやって、そこから事件が起こっているみたいな。やっぱりネタを書いていても、日村さんと自分がやるのはわかっているから、別に事細かく〈はい、この人みたいにやって〉とか〈こういうイメージで歌って〉とかはなくて、もう自然とできるんだよね」

日村「そうそう、〈はいはい、わかった〉みたいな」

設楽「台本でもそうですね。俺は最初の台本って今も手書きなんです。それをワードに打ってもらうんだけど、最初のほうはあるところはデカく書いたり太字にしたりするんです。そういうニュアンスも手書きで表現していたんだけど、今はなんとなくこういう感じ、というのが多いかな」

――ひとつひとつの細かい所作も柔軟に対応していくわけですね。ひさ山田さんがスタジオの扉を開くときの重そう感じとかも毎回面白くて。

日村「マイムもうまいんですよ、我々(笑)」

設楽「ほかのネタでもやっていたんですけど、スタジオの重い扉を開くときはこうっていうのがあって」

日村「若い頃からやっているネタでね」

設楽「あれも別にパントマイム習ったわけじゃないけどね」

日村「昔マジシャンのネタがあったじゃん。手品をずっとマイムでやるやつ(『ジャッキー設楽 マジックショー』)」

設楽「あったよね。まさにああいうの」

――そのあとの幕間でのひさ山田げん太“人生なんやかんや”のMVも素晴らしかったですね。ボーカルも設楽さんのディレクションを吸収したような仕上がりで。

設楽「でもあれはネタができる前にMVを録っちゃってるからね。本当はコントのなかでどんどん変わってくるじゃないですか。しかもそれを毎日やっていると。でも最後にあの映像を流すからそこに合わせなきゃいけない」

――設楽さんがひさ山田さんにディレクションしていくくだりも、円熟見のある阿吽の呼吸が見られますね。

日村「あそこはやろうと思えばもっとやれるもん」

設楽「ね。遊びで。そういうの楽しいんですよね。台本を覚えて何回もやっていると、遊びでこうやりたいみたいなのが出てくる」

日村「フリーになってくると楽しいんですよね」

――ひさ山田さんが自著を出す話に転じたあたりもすごかったですね。

設楽「本当はあの本の話ももっと厚みがあったんだけど、一切カットしちゃったんですよ、長くなっちゃって。本当は本の話だけでもっとあったしね」

日村「うん、もっとあった」

設楽「あとこれは内容的にマネージャーが飛んじゃって、ライブの会場を押さえてないっていう話でしたけど、これが本当にあった話で。この俳優座劇場を20年前に抑えてくれたマネージャーさんが飛んじゃったんですよ。実を言うと全国ツアーをやるはずが、しかもそのチラシとかも作っていたのに、全国でやる会場が全部押さえられてなかったことがあって。それで東京だけ押さえてくれていたのが、この俳優座劇場なんですよね。それが今回ラストで、自分たちの20年前当時の話を入れたんですよ。だからそういうのもいろいろあいまった集大成です」