約3年ぶりとなった夏の東京・俳優座劇場でのバナナマンの単独ライブ。2022年8月に行われた〈bananaman live H〉がついにDVD・Blu-rayでリリースされます。これを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ bananaman特別号」をタワレコ全店にて2023年2月3日(金)より配布いたします!※ ここでは、「TOWER PLUS+」に掲載されたインタビューの完全版を掲載いたします。
※「TOWER PLUS+」は無くなり次第終了となります
※天候や交通事情により配布が遅れる場合がございます
※現在、一部店舗が営業時間短縮中でございます。詳細はこちらをご確認ください https://tower.jp/store/

――まずは、3年ぶりのライブ開催決定までの経緯を教えてください。
設楽統「そうですねぇ、やっぱりコロナでできなかったので間が空いちゃったんですけど、まぁ、そんなに〈やんなきゃやんなきゃ〉って感じでは無かったんです。落ち着いてきたのでちょっとやらせてもらおうかということでやりました。別にできない環境だったら無理してやりたくないなっていうのがあって、お客さんが全員フェイスシールド付けてとかお客さんの数を減らすとかいう状況だったらやらないで、できるようになればやりたいなっていう感じでしたね」
日村勇紀「ライブをやるのを決めたの、ラジオのスタジオだよね?」
設楽「だいたいラジオのときに言うんすよね」
日村「〈今年ライブやろうと思う〉って聞いて、〈あ、今年はやるんだ〉っていう。4月か5月くらいだったかな、だからまだ世の中がまだどっちなんだろうというところだったけど、〈あ、やるんだなぁ〉という、最初はそんな感じですね」
――ネタ作りはいつ頃から始まったのでしょうか?
設楽「ライブやるよってなってからですね。ライブの1ヵ月半前くらいからだよね?」
日村「うん、そうだね」
――いつも通りの流れだったということですね。
設楽「そうですね。うん、いつも通りな感じですね」
――稽古中や準備の中で以前と変わったことはありましたか?
設楽「そこまで変わったっていうことは無いかな。無いよね?」
日村「うん。不思議なもんで稽古場の座り位置なんかも同じようなところに座りますからね。でも僕は、稽古場がものすごい綺麗になっていたのが最初すごいビックリしましたね。物置みたいなところだったので、それがフローリングになって整理整頓されていて。コロナ禍でこんなに綺麗になったんだとは思いましたね」
――本番当日を迎えて、お客さんを目の前にしたときの感想を教えてください。
日村「もうね、半端ない緊張ですね、初日は特に。パッと幕が開いた瞬間はもう本当に足が震えているんですよ。ブルブルブルブルーって。でね、口が全部乾くんですよ。このインプラントとこの奥の口の中が全部くっついたんです。そんなこと稽古では一回も体験してないから〈どほーすればいいんだ(くっついた状態で)〉っていう感じで、こうベロで拭ってもベロも乾いているから、これは大変でした。2日目3日目4日目くらいで徐々にくっつかなくなってきたんですけど、初日の緊張はちょっと半端なかったですね」
――これまでよりもより緊張されていた?
日村「どうかな~、今までも毎回初日はどうしようもなく緊張しているんですけど、もう今年はほんと〈全部くっついたー!〉っていうのが印象的でしたね」
設楽「(笑)。ちょっと緊張を伝えるのが気持ち悪い表現でしたけどね(笑)」
日村「すーごい、くっついたんだよね(笑)」
――全体を通してセリフ量など日村さんに寄った構成だったのでしょうか?
設楽「そうですね、まぁそれは最初に言ってましたけどね、〈今回Hだから日村さん大変だよ〉って」
――「House of God」の中で、「すべて元に戻りますように」というセリフが世の中に対しての願いのようにも感じました。
日村「これは設楽さん言っていましたよ、稽古のときに。じつはそういう裏テーマがあるって。それまではあまりそこは感じてなかったですね。このネタのコイツの状況だと」
設楽「ふふっ(笑)」
日村「でも、まぁ3年ぶりだしコロナ禍だったからね」
設楽「そうそう、だから始めそういう風なことにするから〈そういう風に言って〉というのは言いましたね」
――「Helpless」では、設楽さんが言う悪口のセリフ回しが秀逸でした。
日村「あ、これはもう設楽さんにしかできない演技だと思いました。なんだろ、ただ淡々と言うのとは違う。やっぱりちょっと独特な設楽統ならではの間とかがあったり。それはなかなか真似できないと思います」
設楽「まぁこれは、ネタ的にはシンプルなネタっぽいネタですよね。でもそうですね、台本だけだとちょっとね、わかりづらいというか、やってみてわかるようなネタですよね。これはなかなか技術が必要なネタですね(笑)」
日村「ふふふふふ」
――「Half-Truth Trip」で日村さんのシャツが汗でビショビショでした。苦労などはありましたか?
日村「まぁ動くのが面白いネタで、こうバタバタバターってやっているのが演出のひとつなので、だから動いてこうぐちゃぐちゃになっているのが良いというかね」
設楽「でもビショビショはもう今に始まったことじゃ無いんですけどね」
日村「やっぱり稽古の時とは違うんですよね、本番って。まず何よりも照明があるし圧倒的に動いてますから汗の出方が稽古で体験していないくらい量が出ます。写真で見てビックリしましたね」
設楽「フッ(笑)。このネタは、日村さんが大変というよりは、衣装をどういう風にするかっていうのを考えて。動くからこう服が乱れちゃうんですよね」
日村「シャツが出ちゃうから」
設楽「いろいろやったんだけど、最終的には下着にシャツを縫い付けるっていう」
日村「自分の下着に」
――日村さんは最近ウォーキングをされていることもあり、あまり息切れしていないようにも見え……。
日村「むちゃくちゃしてます! めーちゃくちゃ息切れしてましたね(笑)。あとね、ライブの直前に膝に水が溜まったんですよ。動けなくなっちゃったんですよ(笑)。だから病院へ行って水を抜いたりしたんですけど」
設楽「はっはっはっはっ」
――「Hidden Curiosity」での〈赤えんぴつ〉では「皆さん久しぶりですよね~」という会話から始まり、名曲と名高い“誕生花”が披露されていました。ファンにとっては胸アツな展開だったと思うのですが。
設楽「〈赤えんぴつ〉って結構ずっとやっているネタなんですけど、赤えんぴつっていうフォークデュオも久しぶりのライブ、みたいな設定にしているので、だから別に前の歌をやっても良いんじゃないかみたいな感覚というか、それでやったんですよね。新しい曲とあわせて。あとさっき日村さんが膝悪い、膝の水抜いたって言ってましたけど、だからここで膝を攻撃してました(笑)」
一同「(笑)」
設楽「でも裏だけの話でそんなこと言ってないから、なんでそんな膝ばっか攻撃するんだっていう(笑)」
日村「あはははははは」
設楽「そういうのも別に言ってないからね、なんでだろうって思うよね(笑)」
日村「ふふふ」
――今回、日村さんのギターの音がよく響いていたように感じました。
日村「ほんとですか!? これね、初めてちゃんとしたピックの持ち方をしたんですよ」
設楽「その前に、ギターをちゃんと調整したんですよね。ライブのギターをちゃんとやってくれる人に出したんですよ。だからじゃないですかね(笑)?」
日村「いや! ピックがですねぇ、あの……要は違うんですよ(笑)」
設楽「(笑)」
日村「今まではねぇ、もう手がとにかく汗かいてしまってなんか滑る感じが不安でガッと持っていたんですよ、それをこう思い切ってこうやって(深めにグッと)持ってみたらこれで結構しっくりくるなっていうのを、初めてこう体で感じて、これでいってみようというのが良かったのかもしれないです。でも自分で今回音いいなとかはよくわかんないですけど」
――ギターが鳴っているって感じました。
日村「ほんとですかぁ!?」
設楽「ほぇー、じゃあピックもそうなんだね」
日村「うん、あると思いますねぇ」
――「Henmi Kyoutarou」は圧巻でした。
設楽「これの日村さんのセリフが一番大変だったと思いますね」
日村「うんうん」
設楽「でも最初はもっとすごい長かったんですよ」
日村「そうそう」
設楽「もう、すごい長かったですね。これ、作家のオークラがベースを書いたんですけど、始めの初稿で普通にやったらたぶん1時間半くらいになるっていう」
――えぇ!
設楽「だから、そこからいらない部分を削って削って。最初は日村さんの独りしゃべりが半端なかった。でもそれをギュンと削っても日村さんのセリフは長かったっていう」
日村「特に最初ですね。最初はやっぱりすごいしゃべってしゃべってしゃべって、この人違うっていうオチだから。そこは一人で練習すれば良いんだけど、やっぱり不安ですよね、リアクションが無いから。あと、リズム作ってこうね、体に入ってくるとやれるんですよね、でもそこまでいかないっていう」
――今、最後のオチの話がチラッと出たのですが……最後の真相、結末を聞くのは野暮かなと思っていたのですが。
設楽「結末というか、あのまんまですよ(笑)。あの、深読みをしていただいてありがたいんですけど、あのまんまです(笑)」
――完全に深読みしていました。
日村「ふふふふ」
設楽「本当はもっとストレートに終わろうと思っていたんですけど、なんかこれじゃなぁって言って、それでもうひと展開付け加えたって感じもあるんですよね」
――繰り返し観ると余計にわからなくなっていました(笑)。
設楽「これは特にね、ちょっとそういう世界観というか。不思議な感じというか。このネタだけ舞台のセットもすごいちゃんとしているからよりそういう風に見えるのかもしれないですね」
――Chelmicoが制作したオープニング曲“THIS IS H”も印象的でした。
設楽「今回は〈早いやつで〉〈疾走感〉、オープニングなので〈高揚感〉とかがあるやつというので発注しました。いつもインストだけのオープニングが多いんですけど、Chelmicoはラップだから歌詞が付くだろうなとは思っていたんですが、こんなにバナナマンのことを歌詞に散りばめてくるとは思っていなかったので、それがすごい格好良くて、ありがたいですよね」
――日村さんは聴いたときいかがでしたか?
日村「いやぁ~もちろんそれはもう最高だし、で、あの曲で始まっていきますからね。ライブであの曲が流れるときっていうのは、裏でものすごい着替えているんですけど。1本目のネタがウケたときなんかはもう本当にさらに上がるし。だからお客さんもあの曲聴いて上がるんじゃないですかね」
――今回ライブが開催されたことで、ひとつの夏の風物詩が戻ってきたようで本編はもちろんですが、チケットやグッズの争奪戦に参加する時間もとても楽しい時間に感じました。改めて、お2人にとって〈ライブ〉への想いを教えてください。
設楽「ライブはやっぱりね、自分たちの立ち位置というかね、確認作業というかね、何ていうですかね、バナナマンのここが一番核の部分だと思ってやっているんですけど、でも年々できるのかって体力的にもしんどいなって(笑)。体とかもどんどんボロボロになりますからね。日村さんは、このライブの一週間くらい前かな、具合悪くなっちゃって、みんなピシッっとなってね、やばくない?ってなってね。結果コロナじゃなくて完全に体調を崩したっていうね」
日村「うん」
設楽「でもギリギリだから、もうこれがコロナってなった場合、強制ストップじゃないですか。だからこういう状況の中でやるってのはなかなかですし、あとは単純に膝とかね」
――(笑)。
設楽「ま、昔からなんですけどね。ライブやると日村さんの歯が取れちゃったとか、声が出なくなっちゃったとか(笑)。これがもっと歳とってくると年々いろいろあるからね」
日村「うん」
設楽「やっぱり動くネタも、もうなかなかね、でもまぁライブは、そういう大変な面もあるけど、単純に楽しいからやっているっていう部分はあるんで。ま、やれる限りやりたいなとは思っていますけどね」
――日村さんはライブに対しての想いはいかがですか?
日村「いや、もう一緒ですよ。これだけお客さんが来てくれるし、やっぱりそれがもう全て本当ありがたいですよね。配信もたくさん観ていただいたということも聞きましたし。グッズなんかもそうですよね、たくさんの方が求めてくれているっていうのが、これはもう本当うれしいですよね」
設楽「幸せなことだなぁって思いますよね。だって、来てくれなかったらやりたくったってできないし」
日村「やっぱり終わると〈あー楽しかったな~〉っていう気持ちもすごいありますからね」
設楽「どこで楽しいって思う? ウケたときかな?」
日村「うん、ウケたときかな。あの、なんかハマった瞬間があるんですよね、自分の中で。〈あー、上手くいったな~〉とか〈今の良かったな~〉とか」
設楽「そこまではもう辛い(笑)」
日村「辛いねぇ~(笑)」
設楽「なんでやらなきゃいけないんだ!ってね(笑)」
日村「本当、他の仕事とは全く違いますからね。だから本当、やれる限りはやりたいと思いますよ。どうせいつかはやれなくなるわけですから。ねぇ」
――次回のライブですが、以前お話にもありましたが、タイトルは〈O〉ですか?
設楽「〈O〉ですね!」
日村「お~、言った言った(笑)」
―作家オークラさんの〈O〉ですね。
設楽「オークラの〈O〉かはわかんないですね。おさむの〈O〉かもしれない(笑)」
日村「あははははは、おさむの〈O〉か。あはははははは(笑)」
設楽「ゆうきの〈Y〉もあるしね」
日村「ふふふふふふ」
――次回のライブもお楽しみにということで、ありがとうございました!