恒例となった東京・俳優座劇場でのバナナマンの単独ライブ。2023年8月に行われた「bananaman live O」がついにDVD・Blu-rayでリリースとなります。これを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ bananaman 特別号」を発行! ここでは中面に掲載されたインタビューの完全版を掲載いたします。「TOWER PLUS+」はタワーレコード全店にて配布中です!※ *TOWER PLUS+編集部
ペースを取り戻して順調に進んだ〈O〉の裏側
――1年ぶりの単独ライブ「bananaman live O」のDVD/Blu-rayがリリースとなります。一昨年の単独「bananaman live H」はコロナ禍を経ての再開というものでした。そこから〈O〉に向けて、昨年はどのように過ごされていきましたか?
設楽統「これまで〈S〉(2019年)、〈H〉(2022年)とやって、昨年は〈O〉だったわけですけど、〈S〉から〈H〉がコロナでできない期間があって。僕ら、デビューしてから毎年ずっとライブをやっていて、やらなかったっていう年がなかったんですよね。だから空いたあとの〈H〉のときは、感覚的に〈空いちゃったけど大丈夫かな〉みたいな感じだったんですけど、この〈O〉でペース的には戻った。ただ、空いたときは空いたところ、やんないならやんないで楽でいい(笑)」
日村勇紀「そうそう(笑)」
設楽「僕らもネタ作ってやるというのが、ここ数年はこの自分たちのライブぐらいなので、それが終わるとまた怠けちゃうというか、リセットされちゃうので、毎年単純にライブに向けて〈できんのかな〉みたいなモードには入るんですよ。
昔は時間もすごくあったからすげえ練習をやっていたんですよね。ネタ作りも、もう永遠にずっとだらだらできる。でもここ数年、仕事もあるから徹夜とかはもうできなくなっちゃったので、ネタの練習は〈S〉も〈H〉も〈O〉も一生懸命。そういった意味では〈H〉から〈O〉に関しては普段と同じような感じでしたね。〈S〉から〈H〉のときがいちばん〈ちょっとできるかな〉みたいな感じだった」
――〈H〉を終えていつものペースが戻ってきたわけですよね。
設楽「うん。あと思い出すと、台本が上がるのは割と早かった気がする」
日村「いや、ここ数年は早いですよ。〈H〉と〈O〉に関しては早かった。遅かった年なんて、ほんとに当日の朝に台本を書いてたんで(笑)。でもサボってたわけじゃなくて、いろいろあってそうなっちゃったってことなので」
設楽「細かいところを直したりね。〈時間が長いからちょっと削ろう〉とか」
日村「そうそう。やっぱりこっちとしては早いに越したことはないじゃないですか。だから、ふたりで練習する時間はそのぶんたっぷりありました」
――ライブタイトルですが、今回は設楽さんが予告した通り、作家のオークラさんの〈O〉となりました。
設楽「そうですね、これはもう設楽の〈S〉、日村の〈H〉ときたら、まあ次は〈O〉だねというのはもう前から決まっていたので。一応、昔から言っていますけど、オークラは〈3人目のバナナマン〉っていうニュアンスで、裏バナナマンみたいな感じなので。ただ〈O〉だから特にオークラの色が出ているって感じではないかも」
日村「そうだね。それは〈S〉も〈H〉もそうでしょ?」
設楽「そうだよね。でも〈H〉のときは、〈H〉なんだから日村さんに頑張ってもらうっていうのはありました(笑)」
――なるほど。じゃあもしかしたらオークラさん自身が期するものがあったかもしれないですね。
設楽「あるかもしれない。自分の頭文字のタイトルだよって言われたら、そのライブは外せないぞっていう気持ちにはなったかもしれないですけどね。まあいつも超身内で決めていることなんで、そんなに大したことではないですね」
遊び心と仕掛けを散りばめたジャケ
――また今回のパッケージも〈O〉の文字を意識した素敵な仕上がりになっていますね。
日村「この撮影場所はよかったよね」
設楽「実はこれ、別の仕事で行った現場で〈ここ、いいな〉ってなって決めたんですよ。天井も〈O〉の形になっていてね」
――毎度写真のなかにさまざまな仕掛けもあって。
設楽「時計がオークラの誕生日の12時10分になっていたりとかね。この辺はずっとパッケージの制作をやってくれている方が、ちょっと粋な遊びを入れてくれて、僕らも〈あーいいじゃん〉みたいに話して作ってくれていますね」
――台本は早く仕上がったというお話がありましたが、ネタ作りは比較的スムーズに進んでいったわけですね。
設楽「ちょっと前のことで細かいところまでは覚えていないんですけど、早く仕上がったのでスムーズにできたんでしょうね。
それで〈S〉とか〈H〉もそうだけど、ネタのタイトルの頭文字はその年のライブタイトルから取っているんですよね。僕らのライブは先にメニューを配るので、ネタバレを防ぐためにいつもタイトルを英語にしちゃっているのが多いんですが、今回も〈O〉から始まる単語にしているんですよね。ネタも〈S〉のときからそうやって決めてきたので、作りやすかったのもあるかもしれないですね。だいたいはこういうネタがあって、そのあとからタイトルをつけるんですけど、タイトルから入ったのもあった気がする」
――なるほど。
設楽「でも今振り返ってみると、ネタはもちろん作っているんですけど、バナナマンのふたりがやっている空間というか、(日村とのふたりの間を指して)この辺の〈O〉の感じを見せているようにもちょっと思うかな。全部のネタが、ネタにプラスしてふたりの掛け合いとか空気感というのがありますよね、今回は」