ソロ名義とサニーデイ・サービスで新作を立て続けに配信するなど、創作ペースがさらに加速するなか、そのソロ作が全32曲入りの2枚組でパッケージ化。自身による多重録音をベースに、数多の音楽仲間と共に披露するのはメロウなソウルにエレクトロ・ポップ、弦楽四重奏とのフォーキーなミディアム、まどろむようなギター・インスト、サニーデイでのライヴ音源など。その音楽的な広がりは〈集大成〉という表現でも追いつかないが、日々の感情や感傷を率直に表す姿勢が一貫しているから、プレイリスト的ではないトータル・アルバムとしての強度がある。人生を音楽でなぞらえたような渾身の一作だ。