批評的/商業的に成功した前作『Autofiction』(2022年)以来となる通算10作目。手の合うエド・ブラーが引き続きプロデュースを担い、ブレット・アンダーソンいわく〈スウェードなりのポスト・パンク・アルバム〉に仕上げたらしいが、まず単純に中身が素晴らしい! 現代社会の不安や孤独という主題がライヴのフィーリングでパワフルに表現され、耽美な“Disintegrate”や、否応なく“Trash”を想起させる“Broken Music For Broken People”など、状態の良さはどこを切っても明らか。ここにきてまだ進化することへの驚きと、継続してきたことの尊さを感じさせる、控えめに言っても再結成後の最高傑作だ。