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物語性とレトロ・フューチャーな音色の見事な調和
2005年のメジャー・デビュー曲“リニアモーターガール”の時点で、近未来的なSF世界をコンセプトにしていたPerfume。以降も正確無比なダンスとテクノロジーの融合などを通じて、常に未来的な先進性を纏っていた。そしてSF世界を作品の舞台そのものに据えた『ネビュラロマンス』2部作では、Perfumeの王道や原点への回帰よりも、そのアートフォームの進化が目覚ましい。このたび届いた〈後篇〉では従来のハウス路線からシンセ・ポップへの移行が進み、楽曲が織り成す物語性とレトロ・フューチャーな音色が見事に調和している。バンド・サウンドによる“再起動世界”をはじめ、グラウンド・ビート調の“Virtual Fantasy”、ディスコ・ファンクな“Moon”、 スロウなフュージョン“Teenage Dream”も印象深い。曲の礎となるコード進行やプロダクションに、かつてないほどの実験と工夫を凝らしつつ、あくまでもポップでタイムレスな仕上がりに唸らされるが、それも3人の歌声とハーモニーに揺るぎない力があるからだろう。
〈前篇〉のツアーでは、3人が主演するSF映画の映像も用いてアルバムを完全再現し、その音楽体験を拡張していた。〈後篇〉は2020年に無念の中止となって以来の東京ドーム公演で、その物語の幕を閉じる。そこからまた3人の新章が始まるのだろう。 *鬼頭隆生