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小学生からおばあちゃんまで

 さらに、〈はじまりの一歩を君も歩み出せ!〉という歌詞がある“オレガヤレバ”は、寿君自身、もっとも手応えを感じた曲だとか。前作に収録の“オレトオレバ”に続いて教授もペンを取ったこの曲では、響き渡る寿君のメロディーがとりわけ力強い。

 「“オレトオレバ”の〈俺のそばにおってくれ〉みたいなサビは、わかりやすすぎて書けなかったんですよ。やけど、第三者の目線で俺はこう見えてんねんなってわかって、逆にこれをめっちゃカッコ良くしたい!みたいな。それを経て、今回“オレガヤレバ”が生まれて、これは来たなっていうのがあったから、4番(4曲目)に持ってきた。いまこの時代を生きてるっていうのも大事にせなあかんって意味で、ターゲットを絞る言葉も使ってます」。

 2曲目の“BUSS A BLANK”をみずからのスタジオ/レーベルであるSTREET HEROの集大成とし、「4番のビッグ・チューンの後を盛り上げるいい役目の5番バッター」というBIG BEARとの“トロピカル☆サマー”や、HISATOMIとのコミカルなやり取りがおもしろい“カナリタマッテル”、ブログ的にいまの気持ちを綴ったという“Believe in myself”などへと広がる『オレノキュウキョク』。「俺が聴いてきたレゲエも好きになってもらえる窓口になりたい」とみずから役割を心得るからこそ、レゲエの背景を必要としない言葉で音楽を届けることに何より彼は自覚的だ。

 「小学生からおばあちゃんまで響いてほしいって思ってるし、人間にあたりまえに備わってるものを広く拾って、みんなが共感しやすいもののほうがいい」。

 そしてその世界は、ライヴでより身近なものとなる。

 「9曲の中に好きな曲があって、それでパワーもらってますって言うんやったら、俺の生きてる意味があると思えて超嬉しいし、そういう人に俺もパワーをもらえる。ライヴではわかってくれ、こういう気持ちやねんみたいな周波数もすごい出すから、何回も観てもらえたら俺の心の中ももっとよくわかるんちゃうかな」。

 

▼寿君の作品

左から、2012年作『コトブキイズム~Dr.BEATZ コレクション~』、2013年作『出会いの...~「KOTOBUKI KUN」Deh yah you know!?~』(共にSTREET HERO)

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▼寿君が参加した作品を一部紹介

カジノ891の2014年作『ギッザギザ-GI THE GIZA-』(徳間ジャパン)、AWAKE MONSTARの2014年作『AWAKE』(SOUTH YAAD MUZIK)、BASS MASTERの2014年のミックスCD『-NEXT REBEL- BASS MASTER ALL JAPANESE DUB MIX』(BASS MASTER)、2013年のコンピ『SOUTH YAAD MUZIK COMPILATION VOL.7』(SOUTH YAAD MUZIK)

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