ミュージシャンでライターのKotetsu ShoichiroがCDについて綴る連載〈CD再生委員会〉。今回はK-POPのCDについて。もはやCDはオマケ?と感じるほどに特殊進化し、様々な豪華グッズが付属した多種の巨大パッケージが売られているK-POPのCD。そんなK-POPならではの商品の魅力について、グラフィックアーティスト/イラストレーター/映像ディレクターの野口路加さんと、東京・高円寺の雑貨屋PKPを経営する菅野奈都代さんに聞きました。 *Mikiki編集部

★連載〈CD再生委員会〉の記事一覧はこちら


 

ケーキ型、漫画本風、金属製……多彩すぎるK-POPのCD

この10年で、もはや一過性のトレンドではなく、ひとつの様式として定着したK-POP。ドーム~アリーナ規模での来日コンサートも珍しくなく、タワーレコード渋谷店のK-POPフロアも新大久保の韓国ショップも、平日から大賑わいです。

人気のジャンルには、人と資本が集中します。豊富なバジェットのもとに、いかにして独自のプロダクトを生み出すかをレコード会社は日々研究しています。ということで、今回のテーマはK-POP CDのパッケージングでございます。

例えばRed Velvetの『The ReVe Festival 2022 - Birthday』は、ホールケーキのような円形のCDボックス。i-dle・SOYEONのソロ作『Windy』はファストフードのテイクアウト風のケース。PENTAGON『LOVE or TAKE』は少女コミックの単行本をイメージしたパッケージで、こちらもキュートですね。

Red Velvet 『The ReVe Festival 2022 - Birthday』 SM(2022)

SOYEON (i-dle) 『Windy』 CUBE(2021)

PENTAGON 『LOVE or TAKE』 CUBE(2021)

逆に、リッチ路線なのが東方神起『TENSE』。デビュー10周年のメモリアルな作品で、記念コインがケースに埋め込まれております。高級感では、BIGBANG『ALIVE』の金属製ケースも負けてません。パブリック・イメージ・リミテッド『Metal Box』のよう。SUPER JUNIOR『Mr. Simple』はCDながらレコード大のジャケットという〈でかジャケ〉仕様。

東方神起 『TENSE』 SM(2014)

BIGBANG 『ALIVE』 YG(2012)

SUPER JUNIOR 『Mr. Simple』 SM(2011)

と、つらつらと個別にアイテムを挙げていけば、キリがありません。今回のメインは、私よりもっとこのジャンルに詳しい、目利きのお2人へのインタビューでございます(いずれもメールでのインタビューを再構成しております)。