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創作の軸を見つけられたアルバム

――アルバムの7曲中2曲でドラム(ピエール畳)を入れたんですよね。叩き方の指示はなかったと思うけど、ギターとドラム、異なる2つの音が歌い合って1つの歌になっている。

「関係ないかもしれないけど、今年の春は大島弓子をたくさん読みました。きっかけも特になく、家にあった『いちご物語』を読み返したら再熱しちゃって。春はいつもふわふわしててすごく好きな季節なんですが、その時の気持ちと、今まで感じていた幼少期の記憶で不思議だなと思っていたノスタルジーみたいなものが、漫画とすごく一致して。そのことが、制作していく過程で何度もフックになってくれました」

――体の中のノイズや心の奥の風景が、そのいくつかのテーマに重なり合ったんだと思いますね。ノイズも活かした、いくつかのミスタッチも良かったと思う。それに低音の作りがとても良かった。

「作り上げられたアルバムはもちろん好きだけど、自分ひとりが出来ることではないなと。自分には何が出来るか、何をすべきか探していった結果です。普段そういうことをしている人たちの音源を聴いているし、そういうものかなと。そこも意識的です。

友人から貸してもらった吉増剛造の『詩とは何か』に登場するのは、そういう好きな人たち、好きな思想を持っている人たちのオンパレードで、同時進行でそういう人たちに思いを馳せていました。ヴァレリー・アファナシエフやジョナス・メカス、吉本隆明などです。

意識的に、静かなムードに集中していました。そういったことに人生単位で気づいたし、自分の創作の軸を見つけられたアルバムになったと思います」

――『siki』はこれまでの自分、『lemma』は今とこれからということですよね。

「作った時期は重なっていましたけど、聴いてわかることで言えば、『siki』にはアコースティックギターが入ってない。エレクトロ寄りにしてみました。

……今ちょっと思い出したんですけど、これまでになく本に多く触れることで、羽良多平吉さんの装丁が好きになりました」

――新しい目標が出来ましたね。次作は外面から作りましょうか。

 


RELEASE INFORMATION

yagihiromi 『siki』 MY BEST!(2025)

リリース日:2025年9月24日(水)
品番:MYRD163
仕様:CD(配信なし)
価格:1,000円(税込)

TRACKLIST
1. intro
2. klon
3. like ever 
4. #152275 
5. nagisa (reprise)

yagihiromi writes all the tunes and plays a lot on this compact disc
ジャケット画: sabaku toumei
デザイン: ダダオ
マスタリング: George Mori

 

yagihiromi 『lemma』 MY BEST!(2025)

リリース日:2025年11月19日(水)
品番:MYRD164
仕様:CD+配信
価格:3,080円(税込)

TRACKLIST
1. esquisse (about red bird)
2. deadline
3. denki
4. tennessee
5. 6×6
6. tobari
7. foolproof

yagihiromi:Electric guitar, Acoustic guitar, Vocal, Noise, Edit, and Mix
ピエール畳:Drums(M4, 7)
ジャケット写真:有本ゆみこ(SINA SUIEN)
デザイン:ダダオ
マスタリング:George Mori

 


PROFILE: yagihiromi
1999年生まれ。NITRODAY、Cruyffのメンバーとして活動し、ART-SCHOOLなどのサポートギタリストも務めるするほか、ソロライブや即興演奏など多岐にわたる音楽表現を展開。2023年11月、アメリカのインディレーベル、アイ・ヴァイブより1stミックステープ『MeV』をリリース。これまでの演奏経験をもとにジャンルや形式に囚われることなく、常に新たなサウンドの創造に挑み続けている。