初ソロ・アルバムで聴かせる! 魅せる! 菰口NEW〈GUITAR〉WORLD
もしかしたら、最近のフュージョン・ギター・アルバムとして、そのメロディ感覚、バラエティに富んだ楽曲、それを裏付けるテクニックなどにおいて最高の一枚かもしれない。人気フュージョン・グループTRIXでの活躍で知られるギタリスト、菰口雄矢のファースト・アルバムが完成した。エッジのきいたエレクトリック・ギター・サウンドで弾きたおし、という楽曲はなく、アコースティック・ギター、スライド・ギターも取り入れたメロディアスなナンバーが並ぶ。
「自分のパブリック・イメージとしては超絶技巧とか、変拍子とか言われることが多いですが、今回は単純に自分がギタリストとして、ギターで曲の情景や感情を表現したいというのがコンセプトになっています。メロディにこだわって作っていて、納得がいくまで何度も何度も録り直しました。アルバム・タイトルは、各曲に込めた自分の心情が、情景となってスライド・ショーのように感じられるというところから来ています」
メンバーに関しては、今回の楽曲ありきが前提で、それを表現するために必要不可欠な、菰口自身の「頭の中で鳴っていたミュージシャン」という人選になった。ラリー・カールトンの息子でベーシストのトラヴィス・カールトン、菰口自身が共演してきたグループ白鶴山のメンバー、キーボードには松本圭司、TRIXのAYAKIらが参加。中でも注目なのは1曲で初共演したギタリストのマイケル・ランドウだろう。
「ランドウは今回あらためてそのギターの表現に感銘を受けましたね。こんなにエレクトリック・ギターがアコースティック楽器のように聴こえるなんて。ダイナミクスや音色のコントロールとか、グルーヴとか間とか。派手なことはしないのに、際立っている。以前、某雑誌で対談した際に共演をお願いしていて、今回それが実現したんです」
そんな名人たちが参加しながらも、決してテクニカルになりすぎず、どんなジャンルのリスナーでも楽しめる今回の音楽は菰口雄矢の技巧派ギタリストとしてのイメージを一新するものかもしれない。
「テクニックというのは基礎体力。それがあれば自分を意のまま表現できるという。速弾きだけでなく、ヴィブラート、ミュート、ヴォリューム・コントロールもすべてテクニックです。そういう意味では今まで自分が培ってきたテクニックは存分に発揮できたと思います。またテクニックがあることで、表現の幅が広げられますし、自分の知らない音楽の世界へも入っていけますよね」
果てしない〈菰口ワールド〉、今、始まったばかり。
LIVE INFORMATION
菰口雄矢 1st solo album『picture』release tour
追加公演 Chiristmas special LIVE 決定!
2014年12月24日(水)汐留 BLUEMOOD
出演:菰口雄矢(ギター)/鶴谷智生(ドラムス)/二家本亮介(ベース) ほか