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小室が僕をイメージして作った曲を歌うのは面白いなって

――今回の本は、この6年間のTMNETWORKの活動の歴史を一気に読める一冊となっておりますが、ひとつ大きな軸となったのが木根さんのソロコーナーの代わりに小室さんと歌い始めたツアーでの3部作“Show My Music Beat”、 “Good Morning Mr.Roadie”、“Carry on the Memories”です。それがツアー中に発展していって、結果的にウツさんが歌うことでTMのニューシングルになったという。

「なったね!」

――きっと最初は、そんなことを考えていなかったと思うんですけど。

「ほんと、すべてそうだよね。さっき話したことの最たるものだよね」

――フォーク調の歌詞も、これまでTMではやっていなかった表現スタイルで。でも、MCをしないTMでのコンサートでは、その代わりとなる機能性を持ったナンバーとなりました。

「そこも発端は僕ですよね。ルーパーを使ったり、ギターソロもいろいろやったり、ひとりでアカペラっぽく歌ったり、ソロコーナーでやることを、僕のなかですべてやりきって。僕が〈ソロなくていい?〉って聞いたら、小室が〈なんか歌えば〉って言って。でも、〈TMで自分が歌っている曲は2曲しかないし〉と返したら、〈じゃあ、作るよ〉って言い出して。自分で作った曲を歌うんじゃなくて、小室が僕をイメージして作った曲を歌うのは面白いなって思ったんだよね」

――“Show My Music Beat”、大好評でした。

「その後、小室に〈もっと一緒にやらない?〉って話して、〈じゃあ2人でやろうか〉って作ったのが“Good Morning Mr.Roadie”。それは、僕が〈あのコーナーでさ、もしまた2人でやるんだったら、ローディーの歌にしない?〉って言ったの。千秋楽のコンサートが終わった、翌朝にLINEしたんだよね。返ってきた言葉は〈すごいね、乗ってるね〉。

3作目“Carry on the Memories”も、前2作を踏まえて、このままいったらTMの大事な存在の曲のひとつになるかなって思って、小室は3曲目をちゃんと作ったんじゃないかな(笑)。イメージは、フォークだったんだよね」

――ヒューマンなナンバーですよね。そういえば本に書かれていましたけど、“Whatever Comes”のイントロのギターを木根さんに弾いてもらうために、小室さんがショッキング・ブルー“Venus”に例えて説明しているところも最高だなと思いました。

「だいたいそうです(苦笑)。僕のことを小室は全部知り尽くしてるから、〈これなら好きでしょ〉っていうのを、ちゃんとわかりやすい例えで説明してくれるんです。それで、〈あ〜、あれね〉っていう。しかも、プロデューサーとしてね、ありがたいことに毎回コンサートで見せ場を考えてくれるわけですよ。で、〈今回はギタリストが1人しかいないから、これだったら、かっこよく見せられるんじゃない?〉って、あんなにたくさん照明を僕に当てていただいて。ありがたいことですよ」

 

初めてファン以外にも読んでほしいと思った本

――木根さんは謙遜しますけど、ほんとにかっこいいシーンでした。そんな茶目っ気がある小室さんとのやりとりの小ネタも本ではたくさん書かれていましたね。TMってライブではMCをしない分、ウツさんが歌う歌詞や映像表現から伝わってくる人柄・キャラクターがもちろん大きいんですけど、オフやインタビューなどにおける会話でのやりとりの面白さや人間性、関係性が織りなす表現も魅力なんですよ。それが、今回の本では見事に表れていました。

「ありのままをただ言葉にしているだけなので。でも、それがいいのかもしれないね」

――小室さん、どんどん面白いことを言いますよね。

「ウツはウツで、ウツのキャラがあるんだけど、小室は本当に驚かせてくれるというか、想像できないことを言ってきたりもするから。だから、長く付き合えるんだなって。それは彼のすごさだよね。

それこそ、TMNETWORKっていうグループを知っていて、小室哲哉の存在を知っていて、でも、なんとなくテレビで観たり聴いたりしたことがあって、他はよく知らないっていう人たちにもぜひ読んでもらいたいなって。この本から僕らのことを知ってもらえたら嬉しいですよ、特に今回は。今まではFANKS(TMファン)へ向けた〈実はこうだったんだよ。今はこうだよ〉っていうお手紙みたいな小説だったかもしれないけど、今回はちょっとそうじゃないので。うん、初めてファン以外の方にも読んでほしいなって思いました」

――TMNETWORK向けの新曲は書いているんですか?

「曲は作ってます。ツアーでやるかはわからないけどね。あとは、新しい楽器を演奏するチャレンジをしていますよ。今年の春のツアー前にラジオへ出たとき、3部作の3曲目で〈木根さん、縦笛吹けない?〉って、小室に言われて(苦笑)。そのときは〈えっ、苦手なの、縦笛。ハーモニカは得意だけど〉って返したら、〈木根さん、何か新しい楽器にチャレンジするんですか?〉って質問が来て、〈もしかしたらやるかもね〉ってぽろっと言ってしまい。それが、結局なくなったんですよ。で、ツアーが終わったら〈新しい楽器にチャレンジするって言ったのに、やらなかったですね〉と言われて。なので、今回はたぶんやりますよ。リハーサルでやってクビにならない限り、やると思う(苦笑)。わからないけどね」