韓国現代音楽を代表する作曲家ウンスク・チン。ゴルディアスの結び目のように音と音、リズムとリズム、休符と休符とを繋ぐ細密な間合いを複雑に入り組ませ、沈着するような色彩と飛翔するような超色彩とを結ぶ神経のように淡く繊細で脆い構造が導く音楽が可聴領域いっぱいに押し寄せてくる。これを独創的と言わずして何を独創的と言えようか。幻想的と言うにはあまりにも現実的で、また現実的と言うにはあまりにも非現実的なイディオムの数々が複雑骨折を来したかのように五線の上を滴り落ちていく。彼女の作品が持つこの繊細な世界を既存の概念を通して捉え評価することの難しさを痛感させられる。