映像と音楽が並走するゲルハルト・リヒターとスティーヴ・ライヒのコラボ作品。この録音はNY初演後、パリでの上演を録音したとプレスリリースにある。この作品がどういうものかはライヒの対談集「Conversations」で本人が語っているが、興味深いのは画素数とパルス、あるいはテンポの関係だ。映像の画素数が増えると音楽のテンポが遅くなる。ある意味、これはライヒの初期作品の“Four Organs”のような構造だ。小節数の増減とオルガンのパルスの密度の変化の関係に似ている。こうして音の密度から音楽の速度、作品の構造を考えてみるとクセナキスとライヒが妙に近づく!