インタビュー

たんこぶちん 『TANCOBUCHIN vol.2』

高校を卒業してますます音楽へと情熱を注ぐ唐津発のガールズ・バンドが、成長の程を形にしたミニ・アルバム!

たんこぶちん 『TANCOBUCHIN vol.2』

 2007年に小学6年生でバンドを結成し、高校3年のときにメジャー・デビュー。シンプルでポップなアレンジと思春期のリアルな感情を反映させた歌によって、数あるガールズ・バンドのなかでも台風の目となっている佐賀は唐津発の5人組、たんこぶちん。2014年1月にファースト・フル・アルバム『TANCOBUCHIN』をリリースして以降も、ガールズ・バンドのみを集めた自主企画イヴェント〈We are the Girls Band!!!!!〉の定期開催、全国4か所でのワンマンなど、ライヴ・バンドとしての経験を着実に重ねてきた。

 「3月に高校を卒業して、6月からイヴェントを始めて、8月に九州全県ツアーもあって。2014年はとにかくライヴが進化した1年だったと思います。いろんなバンドのライヴを観たこともすごく刺激になってます。特に印象に残っているのは、FLiPGacharic Spin。同世代のChelsyЯeaLにはライヴァル心もありますねー。ライヴのパワフルさでは負けない!とか」(MADOKA、ヴォーカル/ギター:以下同)。

たんこぶちん TANCOBUCHIN vol.2 YAMAHA(2015)

 1年ぶりの新作となるミニ・アルバム『TANCOBUCHIN vol.2』からも、彼女たちの成長ぶりが感じられる。「高校を卒業して、音楽に携わる時間が増えたんです。この1年で新しく作った曲、いつもライヴでやっている曲など、現在のたんこぶちんのベストという感じですね」という本作。まず特筆すべきは、演奏全体のダイナミズム、繊細な表現力を含めたサウンドの進化だろう。

 「デビューした頃は〈高校生にしては上手いね〉って言ってもらえることが多かったんですけど、もう学生ではないし、プロとして見てもらえるようにならないといけないという気持ちは強くなってますね。そういう意識の変化はメンバーそれぞれにあったと思います。今回のレコーディングではアレンジに関しても自分たちで考えた部分が増えてるんです」。

 「ストレートな応援歌。自分で聴いても気持ちを押されます」というポップなロック・チューン“Alright!!”、スカのリズムに乗せて初めての一人暮らしをテーマに歌う“うたひかれ”など、少女から大人への移り変わりを捉えた楽曲が並ぶ本作。学生同士の切なくも愛らしい恋愛を描いたバラード“涙”、エッジーなギター・フレーズを軸にした“トゲササル”といった、MADOKAの自作曲も初々しい魅力を放っている。

 「“涙”は青春時代の恋愛を意識して書きました。〈こういう時間はずっと続かない〉という切なさを表現できたらいいなって……実体験ではないんですけどね(笑)。〈「また明日ね」君のキスは〉という歌詞は、最初は〈君の声〉だったんですよ。プロデューサーの鎌田雅人さんに〈高校も卒業したことだし、キスという言葉を使ってもいいんじゃない?〉って言われて、だいぶ迷ったんですけど……やっぱり恥ずかしいじゃないですか。でも、思い切って〈君のキス〉にしました。“トゲササル”はライヴのことで落ち込んでるときに書いた曲。いままでは明るい曲が多かったので、こういう激しい一面もあることを見せたくて」。

 さらにボーナス・トラックとして、中島みゆきももいろクローバーZに提供した“泣いてもいいんだよ”のカヴァーも収録。

 「中島さんがセルフ・カヴァーしたときに私たちがコーラスで参加させていただいたこともあって、中島さんのプロデューサーである瀬尾一三さんにアレンジしていただきました。最初は〈本当に自分たちがカヴァーしていいんですか?〉ってプレッシャーを感じてたんですけど、しっかり自分たちのモノにできたと思います。メッセージ性が強い歌なので、単調にならないで、ちゃんと伝えることを意識してましたね」。

 「去年以上にライヴをやって、もっとたくさんの人にたんこぶちんを知ってほしい」と2015年に賭ける熱意もたっぷり。おそらく本作は、〈可愛くて素朴な女子高生バンド〉から〈幅広い音楽性を持ったガールズ・バンド〉へと変化していく大きなきっかけとなるだろう。