バンド活動に青春を捧げ、〈平成オールドロック〉を旗印に逞しく成長してきた愛すべき5人が、10代の集大成となる初アルバムでホームランをかっとばす!

がんばれ!Victory 十代発表 ポニーキャニオン(2016)

 昨年5月にメジャー・デビューした5人組ガールズ・バンドのがんばれ! Victoryが、ファースト・フル・アルバム『十代発表』を完成。これまでのシングル曲やメンバーが手掛けた楽曲など、直球のハード・ロックから可愛らしいポップ・チューンまで、現時点での彼女たちの魅力がたっぷり詰まった作品となっている。

 「みんな20歳になったので、10代で学んだり、活動してきたことの集大成にしようと思ったんです。私たちの掲げる〈平成オールドロック〉が、このアルバムを聴けばわかっていただけると思います」(しのぶ、ベース)。

 「曲順はメンバーで考えたんです。“WONDER JOURNEY”の歌詞は始まりの感じがあるので1曲目にしようとか、最後は“また明日”が合うなとか」(みなみ、ギター)。

 「アルバム制作でスキルも上がったと思います。アッパーな曲が多いけど、ミディアムやバラードもやって、改めて自分のリズムの癖や気をつけなきゃいけないところがわかりましたね。あと、いつもはアレンジャーさんがフレーズを固めてくれてたけど、今回ドラムは完璧に自分で固めたんです」(まゆこ、ドラムス)。

 「歌詞のテーマが〈恋愛〉や〈夢〉だったり、ジャンルもポップな曲からバラードまであって、歌う時の感情のコントロールがすごく鍛えられました」(あやき、ヴォーカル)。

 「新しいテクニックを使ったり、エフェクターをいじったり、全体的にチャレンジが多かったです。それと初めてのアルバムで自信作と思えたのも幸せだし、これから演奏していくごとに、もっと楽曲の色付けが変わっていくんだろうなって思いました」(れな、ギター)。

 ハードかつソリッドな“WONDER JOURNEY”、ドライヴ感溢れる“ボクラノミライ”、ニコニコ生放送を通じてファンと作り上げたというスラップの唸る“三三七拍子”、高校時代の曲“Scarred”など、まさに彼女たちが10代に培った音楽とその軌跡を刻んだ作品だ。さて、彼女たちは全員が曲作りできるのも武器。普段、音楽を聴くときも、自身のプレイや楽曲制作の糧とすることを意識しているという。

 「コーン、レッド・ツェッペリン、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとか、洋楽のハード・ロックやミクスチャーを聴きますね。コーンのレイ(・ルジアー)とか基本パワー・プレイのドラマーが好みで。スイサイダル・テンデンシーズにいたブルックス・ワッカーマンも好きなんですけど、難しくて叩けないんです。でも、どういうヘッドを張ったらこの音になるんだろうとか考えます」(まゆこ)。

 「私はレッチリのフリーが憧れです。うちのバンドは(ライヴで)みんなが動くから、自分も動かないと目立てないので〈私はフリーだ!〉と言い聞かせてライヴに臨んでます(笑)」(しのぶ)。

 「私はニルヴァーナのカート・コバーンが大好きです。映画(「COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック」)も観たんですけど、雑音みたいなデモから曲に仕上げるのがすごいなって」(みなみ)。

 「キッスは安定して好きですけど、最近はフー・ファイターズを聴いてますね。曲作りのときに、あの雰囲気を出せたらとか考えたりします」(あやき)。

 「エアロスミスが好きなんですが、今回バラードを書くときはレディオヘッドやU2とか、音の広がりのすごいものを聴いてました。割とクランチめのギターも好きだなって。でもいまは反動でアリス・クーパーとか濃いのを聴きたいです(笑)」(れな)。

 音楽に対して貪欲な彼女たち。その探求の旅は本作を経て今後さらに加速していきそうだ。

 

メンバーがセレクトする、『十代発表』のお供にオススメなロック盤!

 まだ20歳になったばかりながら古き良きロック・サウンドをこよなく愛する彼女たち。そういった嗜好は『十代発表』にもガッツリ反映されていて、みなみはギタリストらしくジミ・ヘンドリックスをピックアップ。「アルバムを通してトレモロやアーム、ジミヘンっぽいコードをたくさん使ってるので、どの部分がそうなのか聴いて当ててもらえたらと思います!」(みなみ)。

ジミ・ヘンドリックスの67年作『Are You Experienced?』収録曲“Foxey Lady”のパフォーマンス映像
 

 そしてれなはエアロスミスの初作を一押し。「“Dream On”のグルーヴと終盤の熱い魂を感じるシャウトにはファースト・アルバムならではの空気感があって。それと“Mama Kin”は個人的にがんばれ! Victoryと近いものを感じている曲なんです」(れな)。

エアロスミスの73年作『Aerosmith』収録曲“Mama Kin”
 

 また、先達へのオマージュが散りばめられているのも『十代発表』の特色。「“WONDER JOURNEY”はレッド・ツェッペリンにインスピレーションを受けていて」(しのぶ)、「ディープ・パープルもわかりやすいフレーズが入ってたり。〈おっ!〉と思える部分がたくさんあります!」(まゆこ)。

レッド・ツェッペリンの71年作『Led Zeppelin IV』収録曲“Stairway To Heaven”のパフォーマンス映像
 

 そしてあやきが選んだのは――「あえて自分たちの初ミニ・アルバム! プロへの道を駆け出したのはこの作品からで。〈始まり〉と〈集大成〉を聴いてもらうことで私たちの音楽をより深く感じてほしい!」。 *bounce編集部

Victoryの2014年のミニ・アルバム『KGSD』収録曲“KGSD”