今回の課題盤
「この連載が2回(ディアンジェロ、マーク・ロンソン)連続でマンスリー1位になったようで」
――ありがとうございます、ですね!
「嬉しいですね」
――ディアンジェロの回も読まれ続けていて、ありがたいです。
「ディアンジェロはちょっと社会現象的な感じもありましたしね」
――タイミング的にもちょうど日本盤が出るくらいの頃でしたから。
「そうですね、そんな流れに乗れて良かったなと思いつつ、まさかマーク・ロンソンまでとは。リック・ジェイムズの『Street Songs』と、マーク・ロンソンの『Record Collection』と『Uptown Special』を買いましたっていう人がいましたよ」
――ホントに!? それは素晴らしい!!
「ありがたい話で」
――ということで、今回はどうしましょうか?
「今回は、まだリリースされていない作品の話をしたらおもしろいかなと思いまして。トロ・イ・モワが新譜を出すじゃないですか」
――あ~、良さそうな匂いしかしないアルバムですね、『What For?』。
「聴きました?」
――すでに公開された2曲“Empty Nesters”と“Buffalo”はもちろん。
「トロ・イ・モワはチャズ・バンディックのソロ・プロジェクトなんですが、昨年レ・シンズというダンス・ミュージック寄りの名義でアルバム『Michael』を発表していて。こちらはiPodで聴くような音楽じゃないなと思ったのでLPを買ったんですけど、“Why”という楽曲がとにかくカッコイイんです」
「サカナクションの(山口)一郎さんに聴かせてもらったグレープフルーツのアルバム(2011年作『Underneath The Pine』)がトロ・イ・モワ初体験だったんですけど、それが全体的に良く、特に“Still Sound”あたりが秀逸だったのであのアルバムは好きなんです。でも現時点の最新作『Anything In Return』(2013年)は個人的に前作ほどそんなにピンときていなくて。で、昨年Twitterかなんかでレ・シンズの“Why”のPVが上がっていて、最近はどうだろうと思いつつ、これを聴いて良くなかったらたぶん二度と聴かないんだろうなって思ったのをはっきり覚えていますね(笑)」
――ハハハ(笑)。
「それで“Why”を聴いてみたらすごく良かったので、すぐにアルバムを買いました」
――アルバムを通して聴いてみて、どうでしたか?
「んー……“Why”だけが素晴らしかった」
――アハ、残念!
「ウキウキでアルバムを買ったんですけど、(ほかの曲は)ずっと同じことの繰り返しのような感じであんまりピンとこなかったですね。でもこの楽曲だけが異常に引っかかっていて。こういう方向性になってくれないかなと思っていたんですよ」
――トロ・イ・モワのほうが?
「そう。もうちょっと〈グレープフルーツ〉をリリースした頃にやっていたライヴ、〈SXSW〉に出演した時のライヴ映像も観ましたけど、ああいう感じになってくれないかなと思っていて」
――バンド感のある。
「そうそう。すごく鍵盤の音色もセンス良いんですよ。それで、今年に入ってトロ・イ・モワの新譜がリリースされるというニュースが流れ、“Empty Nesters”のPVがお披露目されて……キタ!と」
――これはハマくん的にだいぶキてるサウンドになっていますよね。
「そうなんですよ。噂によるとアルバムがめちゃくちゃイイらしいと」
――あ、そう。
「聴いた人がいて」
――あんな感じだって?
「物凄い踊れる感じ。“Empty Nesters”がもうパワー・ポップにダンス・ファンクみたいな曲じゃないですか、わりとそのテイストで行っているらしいですよ」
――次に公開された“Buffalo”はまたスティーヴィーっぽいメロウさのあるファンクですよね。
「アルバムの良さを確信できる空気感ですね。イントロから出てくる謎のキメがとても気持ちいいです」
――だいぶフィジカルな感じになっているんでしょうね。
「とても楽しみです。4月7日(日本盤は4月8日)発売なのでもうちょっと先ですけど。リリースされたらまた(この連載で)やりますね、たぶん(笑)。まあこういうのもたまにはいいかなって。このご時世、アルバム・リリースの前に先に配信で1曲買えたりするから」
――そうですね。アルバムの内容を先行曲から予想するっていう(笑)。
「ネガティヴな意味ではなく、マーク・ロンソン『Uptown Special』が先行曲の“Uptown Funk”のような曲調に特化したアルバムではなかった……という話を前回しましたけど、噂によるとトロ・イ・モアの新譜は全体的にわりと先行曲のテイストに仕上がっているっぽいぞという前情報。ハズれたらハズれたでおもしろい」
――じゃあそのまま書いておきましょう(笑)。
「ぜひぜひ、こうやって楽しみにしてるんだっていう話をね」
――いいですね、ワクワクします。
「Mikikiだと伝わりやすいと思うので。それで読んでおもしろかったらシェアしてほしいです。フェイヴァリットじゃなくて、RTして広めてほしい」
――拡散してほしいですね。
「俺も後から読むためにフェイヴァリットするけど、加えて読んで良かったらでいいから絶対RTしてほしいんですよ」
――フェイヴァリットしてくれるのもいいんですけどね、広めてくれれば尚良し! お願いします!! それにしても、ここ数回はだいぶ新作系で攻めてますね。
「そうですね、おかげさまで。4年くらい前にトロ・イ・モワを初めて聴いて、それくらいからだな、現在進行形の作品を聴きはじめたのは。だからわりと思い入れが深いんですよ、思い返すと」
――なるほど、ではリリースを楽しみにしてましょう!
【今月の別腹】
※編集部より:本題からは逸れますが……毎回取材時にはハマ先生が最近気になっている音楽の話を雑談的にされることがあります。ただいかんせん本題からは逸れるので、これまで雑談の域を脱することはなかったのですが、そちらの話も興味深いものが多いこともあり、せっかくなので今後は気まぐれでご紹介していこうと思います~
「最近すごく自分の好みがはっきりしてきたんですよ、この期に及んで」
――いろいろ聴いて淘汰されてきましたか。
「そうですね、もうこういうことははっきり言ってもいいのかなと思ってきました。まあ好きな感じの作品だけ聴くということはもったいないからしたくないんですけどね。最近だとアンジュルムの“大器晩成”がヒットしたというのがすごく良かったなと」
――元スマイレージのね。
「“大器晩成”はベースが元オリジナル・ラブの小松(秀行)さんなんですよ。やっぱり手慣れた、いちばんカッコイイところにいる人だなっていう印象でしたね。とにかくアンジュルムの勢いは凄まじいです。個人的にはJuice=Juiceにもっとがんばってほしい」
――ほお、そうなんですか。
「ちょっとスパニッシュな感じのサウンドになったり、いろいろあって、いまいちばん新しいのは“伊達じゃないよ うちの人生は”かな。俺全部買おうと思ってるんです」
――Juice=Juiceを?
「うん。まだ新しめのグループだし、いちばん手に届くところで網羅できそうなのは彼女たちだからそうしようと思って。他のグループだとキャリアも長いし、たぶん無理だから。あとホントNegiccoは素晴らしいってミュージシャンの友達とも話しているんですよ。ライヴも観に行きましたし。すごいキャンディーズだなって思いました」
――いや~Negiccoはホントにいいですよ。
「(bounceをめくりながら)アイドルじゃないですけど、吉澤嘉代子さん、いいですよね、本当にスゴイ。あと植田真梨絵さんも良かった。デビューの頃から見てますけど、ちょこちょこ変化もあって、どうなっていくんだろうと思ってた。それとReiちゃん」
――Reiちゃんいいですよね。
「Reiちゃんはどこでポップになるかというのを気にしていまして。いかに女性ヴォーカリストのシーンに喰い込んでいくかっていうところは気になります。いつか一緒にやりたいと思っているんですよ。あと、またハロプロになりますが、カントリー・ガールズは知ってますか?」
――カントリー娘。とは違うんですか?
「カントリー娘。がカントリー・ガールズになって、最年少は中学生くらいの子がメンバーにいるんです。カントリー娘。の里田まいがスーパーバイザーになって。そのグループの“愛おしくってごめんね”っていう曲がめちゃくちゃイイですよ。ほんとに〈アイドル〉。アイドル・ポップ」
――へえ~、ももちもメンバーなんですね。
「ももちは監督兼という立ち位置で、プレイング・マネージャーだそうです」
――そうなんですか。
「男子全然聴いてない(笑)」
――女の子ばっかりですね(笑)。
「自分が気持ち悪くなってきました(笑)。でもいい曲なんだよ!……男性の話もしましょうか」
――無理にバランス取らなくてもいいですよ(苦笑)。
PROFILE:ハマ・オカモト
OKAMOTO'Sのヒゲメガネなベーシスト。OKAMOTO'Sとして、ニュー・シングル“HEADHUNT”(ARIOLA JAPAN)に続き、昨年の日比谷野音公演を収めた初の映像作品となるライヴDVD 「OKAMOTO’S 5th Anniversary HAPPY! BIRTHDAY! PARTY! TOUR! FINAL @日比谷野外大音楽堂」がリリースされたばかり! また、4月1日には東京・代々木公園イベント広場/特設ステージにて行われるフリー・イヴェント〈みんなのうた〉、4月25日には黒猫チェルシーと合同で〈ARABAKI ROCK FEST. 15〉に出演予定。そのほか最新情報は、OKAMOTO'SのオフィシャルサイトへGo!