フランツ・フェルディナンド

フランツ・フェルディナンドが待望のニューアルバム『The Human Fear』をリリースした。フランツらしさを受け継ぎながらテーマ的にも音楽的にも新たな挑戦をし、ポジティブなムードに満ちた快作は早くも高い評価を得ている。そんな新作のリリースを記念して、日本のアーティストたちに〈フランツ・フェルディナンドと私〉というテーマで思いを綴ってもらった。第4回に登場してもらうのはOKAMOTO'Sのハマ・オカモト。 *Mikiki編集部

★連載〈フランツ・フェルディナンドと私〉の記事一覧はこちら

FRANZ FERDINAND 『The Human Fear』 Domino/BEAT(2025)

 

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

フランツ・フェルディナンドと私
by ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

たしか楽器を始めたばかりの中学2年生の頃、家でぼーっと見ていた音楽番組で“Take Me Out”のMVが流れはじめた。
最初のイントロが終わって、リズムが変わったその瞬間によく使われる表現だが〈雷に打たれたような衝撃〉が身体に走った。

曲が終わるか終わらないかくらいの頃には自転車で家を飛び出して、近くのCD屋に駆け込んだけれどアルバム『Franz Ferdinand』はまだ発売前でした。

その日からずっとフランツ・フェルディナンドが自分の中にあり、あの日に戻ったり、新しい引き出しを開けてくれたり、アイデアの素になったりし続けてくれている。

彼らの音楽の凄さのひとつとして
〈誰でも考えつきそうなのに誰も考えつかなかったリフ〉があると思う。

口で言えるような音数の少ない簡単なメロディ、指板上で押さえる指もすごくシンプル。
それなのに、どの曲もハッとさせられ、悔しく思う。

最新アルバム『The Human Fear』にも相変わらず同じことが言える。
メンバーが変わっても、そうであり続ける彼らの音楽は、あの頃よりは大人になった僕も童心に帰らざる得なくなる。

陳腐に聞こえるが、真面目に思う。
フランツ・フェルディナンドは魔法のようなバンドだと思う。

PROFILE: ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)
1991年、東京生まれ。ロックバンドOKAMOTO'Sのメンバー。ベーシストとして様々なミュージシャンのサポートも行い、2013年に日本人ベーシスト初の米国フェンダー社とエンドースメント契約を結ぶ。ラジオやテレビ・雑誌など各方面でレギュラー番組を担当し、あらゆるフィールドで活躍する。2020年5月にはムック本「2009-2019“ハマ・オカモト”とはなんだったのか?」を発売。2022年7月には〈90’S TOKYO BOYS IN HALL SPECIAL~アフタースクール~〉と題し、ホール公演として最大動員数となるNHKホール公演を開催し、総合演出も務めた。2024年9月からは〈OKAMOTO'S 15th Anniversary FORTY SEVEN LIVE TOUR -RETURNS-〉を開催中。また2025年1月22日には、OKAMOTO'S 10thアルバム『4EVER』をリリース。その活動の勢いは止まることを知らない。TOKYO FM「THE TRAD」のパーソナリティを担当中。音楽ナタリーで細野晴臣とneveryoungbeachの安部勇磨との鼎談連載〈細野ゼミ〉を開講中。レギュラー番組「ハマスカ放送部」(テレビ朝日)、「沼にハマってきいてみた」(NHK)放送中。

 


RELEASE INFORMATION

FRANZ FERDINAND 『The Human Fear』 Domino/BEAT(2025)

リリース日:2025年1月8日(水) ※日本先行発売

■CD・Tシャツ付きセット

品番:BRC769T
​価格:7,700円(税込)

■LP・Tシャツ付きセット

品番:WIGLP495XBRT
価格:10,390円(税込)

■国内盤CD

品番:BRC769
​価格:2,860円(税込)

■輸入盤CD
品番:WIGCD495
価格:2,690円(税込)

■タワーレコード限定 直筆サイン入りアートカード付きCD

品番:BRC769TR
​価格:2,860円(税込)

■通常盤LP

品番:WIGLP495
​価格:4,890円(税込)

■限定盤LP(ホワイトヴァイナル)

品番:WIGLP495X
​価格:5,290円(税込)

■タワーレコード渋谷店限定 カセットテープ

品番:WIGMC495
価格:2,690円(税込)

TRACKLIST
1. Audacious
2. Everydaydreamer
3. The Doctor
4. Hooked
5. Build It Up
6. Night Or Day
7. Tell Me I Should Stay
8. Cats
9. Black Eyelashes
10. Bar Lonely
11. The Birds
12. It’s Funny *Bonus track

 


PROFILE: FRANZ FERDINAND
2003年5月にドミノと契約し、1stシングル“Darts Of Pleasure”をリリース。2ndシングル“Take Me Out”は世界中で爆発的な成功を収め、フランツ・フェルディナンドの名を世界に轟かせた。その名を冠したデビューアルバム『Franz Ferdinand』は全世界で500万枚以上のセールスを記録。アーティストとして常に前進を続け、『You Could Have It So Much Better』(2005年)、『Tonight: Franz Ferdinand』(2009年)、『Right Thoughts, Right Words, Right Action』(2013年)、『Always Ascending』(2018年)といったアルバム作品を世に送り出し、フランツ独自のサウンドスタイルを築き上げると同時に、ダン・キャリー、ホット・チップのジョー・ゴダードやアレクシス・テイラー、トッド・テリエ、フィリップ・ゼダールら最も先駆的なプロデューサーたちと仕事をしている。彼らの音楽は世界的に反響を呼び続け、約20年の間に商業的にも評価的にも世界最大のUKバンドの一つとなった。アルバムセールスは1,000万枚を超え、現在までにストリーミング回数は25億回、14枚のプラチナアルバムをリリースしており、ブリット・アワード、アイヴァー・ノヴェロ、マーキュリー・プライズ、さらにはグラミー賞にもノミネートを果たしている。レディング&リーズ、ロック・アン・セーヌ、プリマヴェーラ、オール・ポイント・イーストといったフェスティバルでのヘッドライナーを含む煽情的なライブショーのチケットは世界中で600万枚を売り上げを記録。2022年にリリースされたグレイテストヒッツ作品『Hits To The Head』は、彼らの楽曲の多くがいかに普遍的で愛されてきたかを思い起こさせるものであり、イギリスではロンドンのアレクサンドラ・パレスを完売させるなどUK音楽史上最も重要なバンドとしての地位を確立している。