全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、相対性理論神聖かまってちゃんクリープハイプceroKANA-BOON、洋楽ではストライプスチャーチズといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメ・アイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお伝えする特集を連載中! 今回は4月度の邦楽編です!!

※2015年5月度のタワレコメンに関する情報はこちら

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タワーレコードの本社にて行われるタワレコメンの会議。どことなく春っぽいラインナップに決まった洋楽編のミーティングに続き、邦楽担当の腕利きバイヤーたちがオススメのアイテムを持ち寄り会議室へ集まります。何百タイトルという山のような新譜のなかから選ばれた計8作品の音源を聴き比べながら、熱い議論が繰り広げられました。そんな厳しい予選を勝ち抜いて4月度のタワレコメンに決まったのは……以下の3タイトル!!

 

★2015年4月度〈タワレコメン〉邦楽編:選出アイテム

 

Awesome City Club Awesome City Tracks CONNECTONE(2015)

 〈架空の街Awesome Cityのサウンドトラック〉をテーマにテン年代のシティー・ポップを発信している男女混成5人組バンド、Awesome City Clubのファースト・アルバム『Awesome City Tracks』が、多くのスタッフの支持を得てタワレコメンに。Mikikiでも何度か記事で取り上げた注目株の初作は、Chara思い出野郎Aチームらとの仕事も好評なmabanuaをプロデューサーに迎えたことで、生楽器と打ち込みのブレンドによる絶妙なアレンジがまばゆいメロディーを包み込んだ〈死角ナシ〉なデビュー盤となりました。ときおり見せるディスコなグルーヴもポイント。すでにタヒチ80ディアフーフといった海外アクトとも共演済みなACCの魅力がギュッと詰まったオススメ盤ですよ!

 【推薦コメント:広島店 山根】
Awesome City Clubの名前を知ったのは自分が好きなアーティストの対バンでかなりの頻度であがってきたからです。
最初は前もこんな名前見たな、まただな、何て読むんだろう……と徐々に興味を持ち、YouTubeで音を聴いたら引き込まれました!
シティー・ポップな音を鳴らしたかと思うとブラックなディスコ・サウンドもあり、異国情緒あふれる楽曲もあり、それでいてドラムが凄くカッコイイ!!
あるようでいていなかった、新しい音楽の扉を開けたバンドだと思いました。
音源化を待ち望んだアーティストなのでこの度新レーベルからのデビューも嬉しいです。
 

 

Suchmos Essence SPACE SHOWER MUSIC(2015)

 「20代そこそこの若者がディアンジェロばりのネオ・ソウルを鳴らしているんです」というプレゼンも大げさに聞こえない説得力でスタッフを唸らせたのは、横浜のスケーター4人から成るミクスチャー・バンド、SuchmosのファーストEP『Essence』。Mikikiに連載を持っているSANABAGUNのメンバーを擁する彼らの特徴は、よく引き合いに出されるジャミロクワイよりもストリート寄りのロックやヒップホップの影響が色濃く、ソウルやジャズも〈グラスパー以降〉のモードで消化しているまさに〈いま〉なサウンドとグルーヴにアリ。メンバーであるDJのKceeがディレクション&横浜で撮影した“Fallin”のMVも必見!

 【推薦コメント:渋谷店 宇野】
〈FUJI ROCK FESTIVAL '14〉の〈ROOKIE A GO-GO〉にも出演、先にアップされた音源“Pacific”も再生回数を伸ばし既に話題となっている、横浜ストリート発のスケーター4人からなる、Suchmosの待望のデビュー作!!
90sのネオ・ソウル、ロック、ヒップホップなどを独自に取り込んだ平均年齢23歳とは思えない、グルーヴィーでスムースなサウンドを聴かせる一枚です。特に2曲目に収録の“Fallin”のメロウネスと言ったら…!!
〈和製ジャミロクワイ〉との呼び声も高い彼ら、SANABAGUNなどのファンから、Yogee New Wavesなどインディー・ポップ好きまで必聴です!!


 

Official髭男dism ラブとピースは君の中 Lastrum(2015)

 思わず2度聞きしてしまう名前で掴みからバッチリだったのは、山陰地方が活動ベースのため選考時にはほとんど情報がなかった平均年齢22歳の4人組バンド、Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)のデビュー・ミニ・アルバム『ラブとピースは君の中』。変化球なネーミング・センスとは裏腹に、〈ポップで親しみやすい音楽〉をコンセプトとする楽曲はJ-POP・リスナーにもストレートに刺さりそうなキャッチーさでいっぱい。ヴォーカル/キーボードの楢崎誠の伸びやかで人懐っこい歌声は一度聴いたら虜になること必至!

 【推薦コメント:本社 中村】
バンド名とジャケットからは想像も付かない程に純度の高いポップ・ソング集。
山陰地エリアで活動する通称〈ヒゲダン〉。
平均年齢22歳が奏でる普遍的なポップ・ソングには思いっきりメジャーなJポップのフィールドで活躍してもおかしくない可能性を感じます。随所に感じるモータウン風なファンキーさがかわいらしくて素敵です。
誰も知らないからこそ、タワレコメンでプッシュしたいアーティストです。

 

ということで、三者三様の魅力を持ったニューカマーたちの作品が選ばれた4月度の〈タワレコメン〉邦楽編。アイテムはすべて発売済みですが、入荷状況は店舗により異なりますので気になる方はお近くのショップへお問い合わせください。次回は2015年5月度のレポートを掲載する予定なのでお楽しみに!