ひとつめ【奈良】
鹿がのんびりと群れる芝山を、まるで「アルプスの少女ハイジ」のようにウキウキと歩くこちらの写真を見て想像できる通り、三戸なつめは奈良出身(鹿に近付くのは苦手だそうですが……)。今年5月には、奈良市が立ち上げたリニア中央新幹線の誘致活動を行う〈奈良市リニアファン倶楽部〉の部長に就任し、彼女をイメージした〈なつめじか〉というゆるキャラ(?)と共にその活動をリードするなど、地元の活性化に貢献する一面も。
奈良出身といえば堂本剛やLOSTAGE、DOZAN11などがいますが、三戸と同世代であれば人気上昇中のTHE ORAL CIGARETTESもそう。いま奈良が熱い?
ふたつめ【モデル】
2010年に関西で読者モデルの活動を始めた三戸。後に自主イヴェント〈初なつめ祭り〉に招いた近藤夏子とは、その頃からの付き合いだそう。
「特に何も考えてなくスナップからのモデル活動だったので、最初はアルバイトのような感覚で撮影に参加してました」(三戸)。
やがて「SEDA」「mina」「古着Mixガールズ(現・mer)」など、いわゆる青文字系の雑誌で活躍して知名度を広げていき、2013年に上京。同年7月には初のセルフ・プロデュース本「なつめさん」を出版して累計10万部に迫る大ヒットを記録することに。身近な可愛らしさが同性からの支持も厚いようです!
みっつめ【歌手】
2014年8月、「mer」誌の連載〈月刊ゆとり世代〉にて歌手活動を発表した三戸。子どもの頃から歌うことが好きで憧れを持っており、上京していまの事務所に所属したときにその思いを打ち明けたことが、アーティストとしての一歩を踏み出すきっかけになったそうです。
「自分が活動することで楽しんでくれる人や幸せになってくれる人を増やそうと思いました」(三戸)。
ライヴは基本、活動前から密かに練習してきたギター(アコギ、エレキ)の弾き語りで行っており、オリジナル曲はもちろん、過去には宇多田ヒカル“ぼくはくま”、ブルーハーツ“夕暮れ”、フィンガー5“個人授業”、坂本九“上を向いて歩こう”のカヴァーを披露したことも。そして今年の夏は、〈JOIN ALIVE〉や〈ROCK IN JAPAN〉など、フェスにも引っ張りだこに!
よっつめ【前髪】
三戸のトレードマークと言えば、何と言ってもおでこが丸出しになるぐらい短くぱっつんと切り揃えたその前髪。何でも中学生の時に自分でバッサリ切って以来、眉上バングを貫いているのだとか。そんなこだわりの髪型をテーマに中田ヤスタカが書き下ろしたのが、彼女のデビュー・シングル“前髪切りすぎた”。どことなく〈エレクトリカル・パレード〉の曲を思い出させるメルヘンチックなサウンドに、三戸の子どものように素直な歌声と〈ちょきちょき〉という合いの手が愛らしい、思わず口ずさみたくなるポップソングに仕上がっています。
「昔から続けてきた髪型が曲になるなんて思ってもみなかったです」(三戸)。
いつつめ【アイドル】
〈アイドル鑑賞〉を趣味のひとつにあげる彼女は、小学生の頃にモーニング娘。に憧れて歌手を志したという生粋のハロー!プロジェクト好き。特にスマイレージ(現・アンジュルム)はデビュー曲“ぁまのじゃく”の頃からのファンだそう。なお、TV番組「MBS SONG TOWN」で彼女が選んだ〈アイドル・ソングの神曲〉はモーニング娘。の“I WISH”(2000年)。
むっつめ【MV】
三戸のアーティスト活動において特徴的なのが、時に〈ふざけすぎなのでは?〉と思わせるほど遊び心たっぷりなヴィジュアル展開。特にMVに関しては徹底した凝りようで、デビュー曲“前髪切りすぎた”ではクリエイティヴ・ディレクターを務めた日下慶太の号令のもと、関西に縁のあるさまざまな映像作家を迎えて11種類ものMVを制作! 80年代の少女マンガを彷彿させる、決して上手ではないが異彩を放つ手描きアニメで衝撃を与えた伊勢田勝行監督の〈学園篇〉を皮切りに、neco眠るのアートワークから最近では花澤香菜のMVまで手掛ける坂本渉太監督の三戸とタワシ風モンスターがポップに踊る〈タワシ篇〉、幼児向け知育番組のパロディーで何故か白菜をフィーチャーした神田旭莉監督の〈白菜篇〉、三戸らが山中で謎の奇祭を行っている様子が延々と映されるコタケマン監督の〈ダルマ篇〉などが順次公開され、いずれもアッと驚くシュールな内容で話題を呼びました。
続いて制作された“わたしをフェスに連れてって”のMVも、昔のクイズ番組風の微妙にチープな作りが微笑みを誘うもの(前述の〈白菜篇〉に登場した歌のお兄さん&お姉さん風の人も出演!)。それらの映像のユニークさはもちろんのこと、そこであらゆるヘンテコな役柄に挑戦しても天真爛漫な魅力を失わない三戸からは、役者としての才能も感じたり。今後のMVにも期待が膨らむばかりですね!
ななつめ【8ビット】
三戸なつめのフェイバリット・アーティスト!
三戸がフェイヴァリット・アーティストに挙げるのは、彼女と同じ90年生まれのシンガー・ソングライター。「生命力の爆発している歌やオーラが好きです。カッコイイです」(三戸)。お互いギター弾きということで、いつか弾き語りでの共演を!
若さと衝動をギラギラさせたロックンロールをぶちかます、札幌発の5人組による最新アルバムが、三戸の最近のお気に入り。「やんちゃで元気でちょっとふざけているところが好きです。ふざけてそうなのに歌詞が心に刺さります。グサッ。懐かしさを感じるサウンドが良いです。切なさって感じです」(三戸)。