ESSENTIALS
サーフィスの作品の一部
コロムビアと契約を結ぶキッカケとなった“Let's Try Again”を含むファースト・アルバム。目玉は“Happy”と“Lately”だが、ムードたっぷりにベッドルームに誘い込むスロウ・ジャム“Gotta Make Love Tonight”、サルソウル時代の勢いを感じさせるソリッドなファンク“You're Fine”など、キャリアに裏打ちされた名演が揃う。ミネアポリス・ファンク流儀を持ち込んだ“Lady Wants A Man”はこの時代ならでは。 *林
ディスコ・ディーヴァの彼女は早くからコンリーに目をかけていた人でもある。ラリー・レヴァン絡みの“Ain't Nothin' Goin' On But The Rent”で名高い本作でも、トリオのペンによる3曲などにコンリーは尽力。さらに、現在入手できる〈Expanded Edition〉にボーナス収録されたシングル曲“Save Your Love For Me”は、デュエット形式で爽やかなサーフィス節が迸る名曲につき必聴だ。 *出嶌
レーベルメイトとなった御大の若返りに貢献すべく、3曲のプロデュースに抜擢。〈らしさ〉をあえて無視したようなアップ“If You Want My Lovin', Do Me Right”が幕開けを飾ることの意図も明白だろう。ムワッとした歌い口とクールな打ち込みの相性という意味ではマチュアな都会ミッド“Flash Backs”が抜群で、簡素なスロウ“You Turn On Me”も良い。 *出嶌
ジャケット通りの爽やかムード満点なセカンド・アルバム。“Happy”の成功を受ける形で制作されたメロウ・チューン“Closer Than Friends”、レジーナ・ベルが声を添えた同路線の“You Are My Everything”、究極のロマンティック・バラード“Shower Me With Your Love”と、本作からは3曲のR&BチャートNo.1ソングが誕生した。“I Missed”はニュー・ジャック・スウィングに素早く対応したアップの快演だ。 *林
先にリビー・ジャクソンを手掛けていたサーフィスはジャーメイン・ジャクソンの本作にも関与。爽やかなサウンドとジャーメインの繊細な歌声との相性は良く、“Happy”マナーのメロウ&スムースな表題曲がR&B1位に輝いたのも納得がいく。コンリーが単独で手掛けた“Two Ships(In The Night)”、カシーフ制作ながらバーナードがペンを執った“I'd Like To Get To Know You”も屈指の裏方仕事。 *林
全米チャートで2週連続1位に輝いたソフトなバラード“The First Time”をはじめ、ニュー・ジャック全盛期とヒップホップ・ソウル時代の間で品格ある佳曲を取り揃えたサード・アルバム……なのだが、なぜか現在は廃盤状態。1~2作目と同じく豪華盤もそのうち出るのだろうが、次作『Love Zone』(98年)も含め、これぐらいの作品は一般常識であってほしい。 *出嶌
絶頂期のサーフィスは元アトランティック・スターの歌姫もプロデュース。コンリーがデリック・カラーと共同で手掛け、タウンゼントのギターをフィーチャーしたリード・シングル“The Master Key”では、ウェイン・ルイスの音に馴染んできた彼女に、それとは違うエッジの利いたモダンさを授けることに成功した。女声リードだったサルソウル時代のサーフィスを想起させる名曲だ。 *林