ブラジルって広くて近い?
ブラジル音楽を幅広く取り扱う信頼のレーベルBiscoito Fino(ビスコイト・フィーノ=素敵なビスケット)の、子供向けアルバムシリーズ3部作はそれぞれMPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ=ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック)、サンバ、フォホー(ブラジル北東部の伝統的なリズムや踊りを取り入れた音楽)のジャンルに分けられた音楽集。すでに入手の難しくなっているこの3枚がセットで登場。
第1弾となった『Samba Pras Crianças』(=子供たちのサンバ)ではブラジルの作曲家で歌手のドリヴァル・カイミらの楽曲を、子供のサンバ・コーラス隊と歌手のネイ・マトグロッソやヴィニシウス・ヂ・モライスの孫娘、マリアーナ・ヂ・モライスなどサンビスタ達がサポート。『Forró Pras Crianças』(=子供たちのフォホー)は、第1弾と同じくシンガーソングライターのゼー・ヘナート監修による全12曲で、マリア・ヒタ、シコ・ブアルキ、ホベルタ・サー、 ジョアン・ボスコらブラジルのスターたちが子供たちのためにうたい、演奏。『MPB Pras Crianças』(=子供たちのMPB)ではバイーア出身のアカペラ・グループが、泣く子も黙るミルトン・ナシメントやアントニオ・カルロス・ジョビン、カエターノ・ヴェローゾらの楽曲をおもちゃの音に乗せて披露。全編本格的なあまり大人たちの3枚組にもなりえる。サンバ盤とフォホー盤はラテン・グラミー賞最優秀子供向けラテン・アルバムにノミネートされた人気のシリーズ。
ブラジルの子供たちに世代を超えて親しまれ、映画やドラマ化され続けてきたお話「ぼくのオレンジの木」は90年以上前のリオデジャネイロが舞台の物語。主人公はいたずら好きの男の子ゼゼーとオレンジの木ミンギーニョ。ゼゼーの心情にも、大人たちの視線にも時代背景が大きく関わっていて、自分ひとりではどうにもできない大きな力を子供も大人も感じていた時代。つらい現実と向き合うってどんなこと? 生きる力はどこからくる?